封切り二日目。
席数488の【CINE12】の入りは七割ほど。
〔エイリアン〕と〔エイリアン2〕の間の時代の出来事とされている。
物語りの上では、この間に六十年に近い年月が経っている。
シリーズに共通のお約束事は全て踏襲しているので、
劇中で説明をされなくても、
鑑賞者は直ぐに背景を理解できるメリットはある(同時に先読みもできてしまう)。
一方で、意図的だろうが、
既視感のあるシーンやエピソードの連続は、
やや興味を削ぐ要素にもなってしまう。
コトの始まりは探査船が「ノストロモ号」の残骸から
硬質な繭のようなものを持ち帰ったことから。
ラボに持ち込まれた繭には(当然のように)
「エイリアン」が潜んでおり、その後に起こる災厄の嚆矢に。
本作での宇宙船の搭乗員は(〔エイリアン〕よりも一人少ない)
アンドロイドを含めた六名。
アンドロイドに敵対する者も存在する一方、
主人公の『レイン(ケイリー・スピーニー)』は弟のように慈しんでいる。
アンドロイド『アンディ(デヴィッド・ジョンソン)』の立ち位置はすこぶるユニーク。
頭部のチップを入れ替えることで、味方にも敵にも時として変貌する。
過去に登場した『アッシュ』と『ビショップ』のハイブリッドのよう。
搾取されている植民惑星から脱出するため、
廃棄された宇宙ステーションにコールドスリープ装置を盗りに向かったところ、
そこが件のラボであり、「エイリアン」の巣窟なのはお約束。
仲間は一人また一人と餌食に。
宇宙船そのものの破壊(これもシリーズ共通の設定)とのタイムリミットも迫る中、
恐怖の脱出劇が繰り広げられる。
監督の『フェデ・アルバレス』は〔ドント・ブリーズ(2016年)〕撮っており、
同作での設定の幾つかをしれっと持ち込んでいるのには笑ってしまう。
まぁこれも一種のサービスだろうか。
それ以外は過去作の「コラージュ」「パスティーシュ」の(最後まで)連続も、
重力発生装置を駆使した戦闘シーンはかなりの新機軸。
危機は十重二十重に高速で襲い掛かり、
度毎に心臓の動悸は跳ね上がる。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
「スター・ウォーズ・ストーリー」に於ける
〔ローグ・ワン(2016年)〕に近しい位置付の一本とみる。
当該作は大成功だったが、本作は
中成功くらいの出来か。
それでも宇宙×閉鎖空間での{ホラー}への原点回帰は、
前日譚の〔プロメテウス(2012年)〕〔コヴェナント(2017年)〕より
遥かに上出来。