RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ブレードランナー2049@TOHOシネマズ上野 2017年11月11日(土)

封切り十六日目。

席数97の【SCREEN1】は満員。

高齢の来場者が目立つのは
前作からの信奉者が多い証しだろうか。


実は自分は〔ブレードランナー〕を試写会で観ている。

それは関係者やマスコミ・プレス向けを除けば
一般向けの初回で、事前情報もほぼほぼ無いような時代だったから
観終わったあと、正直、かなり狐に抓まれた様な
感想を持ったことを記憶している。

リドリー・スコット』の日本公開作としては
〔エイリアン〕〔デュエリスト〕に続く三作目だった訳だが、
近未来を舞台にした{ハードボイルド}じゃん、って。

その後、劇場で二回観て
次第に思いは変わって行くのだが、
初見の時の違和感はいまだに記憶の隅に引っ掛かっている。


そして本作。

イメージ 1


なまじ二ヶ月前に、あの〔エイリアン:コヴェナント〕を観てしまったものだから、
また自己満的な、作らなくても良い様な作品を撮ったんじゃないかとの事前の心配は
まるっきりの杞憂。

前作以上に人間(レプリカント?)ドラマの部分を厚くし
謎も複層的に絡ませ極上の一本に仕立て上げている。

特に人間とは何か、との深淵の部分では
あの〔猿の惑星:聖戦記〕にも通ずる部分があり
神の視座に近いテーマに、どうしても思い至ってしまう。


前作から三十年後の世界では
ブレードランナー」すら「レプリカント」が務める時代。

その中でロス市警の捜査官『K(ライアン・ゴズリング)』は
旧タイプを追う過程で
姿を消した『デッカードハリソン・フォード)』の痕跡を見つけ
それに迫って行く。

物語の発端となる「奇跡」については
早々に見当が付いてしまうものの、
その後の伏線の解き明かし方が、見事の一言に尽き、
丁寧に観ていれば、予想できたハズの結末に対峙した時には
やられたね、と素直に脱帽。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆☆。


技術の面でも、複数の驚きが。

特に「ボディダブル」を使って『レイチェル』を再現したことには
もう仰け反ってしまった。

どれほどの労力が掛っているかは判らないけれど、
とことん凄い。