「byou-byou-ten」とローマ字が振られているので、
これで「びょうびょう」と読むのだろう。
HPを確認すれば、
「広く果てしないさま」と書かれており、
履歴が正しければ、本年が二十四回目の開催ということになる。
出展作家は十二名。
例によってエレベーターで五階に上がり、
階段を使って三階まで順に拝見する。
もっとも激しいインプレッションは、
『岡﨑夏海』の〔浄化〕〔黒焔〕〔Body〕の三作。
何れも墨を使い、荒い線で
女性の裸体を描いたもの。
画面にいっぱいにクローズアップで
なぐられたような筆致のそれは
迫力に思わず後ずさり。
後者の二つは襖絵で、
これが実際に嵌め込まれたいたら
引き手に指を伸ばすことさえ躊躇いそう。
『手塚葉子』の〔晴れの日も雨の日も〕〔街〕は
日常世界の狭間から、異世界がひょんと抜け出して来たよう。
人物や風景はシンプルな線で描かれ、
その対極には有機的な線の得体の知れぬモノが在る。
会期は9月1日(日)が最終日。