展示会場は【BAG+1】【BAG+2】ながら、
後者は最近多い展示販売らしいので、
前者での鑑賞に絞ってみる。
そして普段であれば素通しの入り口扉が、
何故か覆われ中が見えない造作になっている。
その仕掛けの理由は、中に入って判明、
入り口のスペースから
既に漆黒の闇が忍び寄る。
係りの人の言うことには、
展示スペースは更に暗いので
目が慣れるまで注意が必要なこと、
また、写真撮影は可も、フラッシュは禁止。
なるほど足を踏み入れると、
仄かな光源はあるものの
一寸先も見えない状態。
迂闊に動くと、壁や展示物が乗っている台にぶつかってしまいそう。
しかしこれはたまたま自分が入ったタイミングのようで、
実際にはかそけきLED灯が、長いスパンで点いたり消えたりを繰り返す。
度毎に展示物がぼうと姿を現す。
これは、灯火が無かった頃の一日の陽の当たり方を再現しているのだな、と
了解する。
昔であれば、月明かりや星明りしか、夜はモノを見る手段が無かったろう.
とりわけ、修行僧の生活なら、猶更のことかと、
展示されている文物を見れば、どうしてもその様に思いが行く。
まさしく、日本語のタイトル〔陰翳礼讃〕は言い得て妙。
会期は~9月25日(日)まで。