RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

まく子@109シネマズ二子玉川 2019年3月16日(土)

封切り二日目。

席数101の【シアター8】の入りは七割ほど。

その題材故か、小学生くらいの子供が客層に散見される。


イメージ 1



原作は「福音館書店」からの刊行と聞いている。

児童書を多くものしており、自宅にも同社から出版された
林明子』の絵本が多数ある。

しかし本作の中身は、子供を主題に取りながらも
大人も十分に楽しめる造り。

一方で低年齢の観客を意識した過剰な説明も随所に見られ、
ややバランスを欠く部分もありはする。


大人になるのは一歩づつ確実に死へと近づくこと。
なのでカラダの成長は僅か乍らの死への予兆とは言える。

そんな変化を微妙に感じとる時期が子供にはあるのだろうか、
以前に知人から
彼の中学生の息子が突然に「死にたくない。死ぬのが怖い」と言い出したとのハナシを
聞いたことがある。

自分にはそんな多感な思春期はなかったなぁ、などと思い起こしながらも
彼がどうやってそれを収めたのかは聞かずじまい。

でも本編での『草彅剛』演じる父親のやり方もアリかなぁって
ちょっとにんまりしてしまう。


そしてまた〔東京物語〕での『笠智衆』の居住まいを思い出す。

個人にとって悲しく辛いことがあっても
世界は何事もなく続いて行く諦観と微かな希望。


或いは大人がすることが妙に汚く見えてしまう瞬間とか。
自分にもさすがにあったかなぁ。


そう言った諸々を本編は、子供の視点で
その成長に託し、優しく描く。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


ファンタジーとリアルがバランス良く同衾。

観終わるとココロがほわっと温かくなる。