RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ウインド・リバー@角川シネマ有楽町 2018年8月1日(水)

封切り六日目。

席数233の【スクリーン1】の入りは八割ほど。

客層は老齢者の比率が高く、60歳以上なら
わざわざ今日来ることはないだろうにと首を傾げる。


イメージ 1



これもまた、米国の負の歴史。

先住民を迫害した挙句に今では
居留地に追いやり囲い込んでいる。

しかし、彼等はその閉塞された場所から
抜け出すことは叶わないし精神的な自由すらない。

ある程度の年齢に達した者については特に。
もはやある種の諦観。

若者は学問で身を高めるか、或いは
更に自堕落になって行くかの二つの選択肢。


地の果てのような場所で起きる幾つかの事件。
関連があるのか無関係なのかは判らない。

が、自ら望んでその場所に住むわけではない彼等と、
自身の選択により居合わせた白人の間での激しい対立が
狂気を孕んだ事態に転がって行く。


最初は殺人(かもしれない)事件の捜査として始まったのに、
気が付けば彼の国が今でも、いや今だから背負っている暗部に
否が応でも向き合わされる。

予見した流れとはあまりにも違う強烈な結末に
背筋がうすら寒くなる。

それは舞台が白一色の世界だからではけしてない。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


冒頭例によって「事実に基づいた物語」である旨が提示される。

が、原文は「inspire」なわけだから、ちょっと意味が違うだろうに、
特に本編を観終えた後ではそう思う。