封切り二日目。
席数190の【SCREEN3】はほぼほぼ満席。
そのきっかけは些細なことだった。
違法建築のベランダの排水口から噴き出した水を
もろに被ってしまった工事主任『ヤーセル』。
その抗議に訪うも、
家の主『トニー』に取り付く島もなく追い返される。
もろに被ってしまった工事主任『ヤーセル』。
その抗議に訪うも、
家の主『トニー』に取り付く島もなく追い返される。
しかし本作は、そういった国内的背景を知らずとも
論点を十分に理解できる工夫が十二分になされている。
論点を十分に理解できる工夫が十二分になされている。
あまつさえ、ほんの些事が大事に至ってしまうのは
我々の身近でもままあることではないか。
我々の身近でもままあることではないか。
雪だるま式に事態が収拾できなくなる流れは
スリリングの一言。
スリリングの一言。
そこに先に挙げた民族対立や難民差別が絡んでくるのだから
余計に複雑な様相を呈して来る。
余計に複雑な様相を呈して来る。
その過程で、原告である『トニー』に共感できない感情を持ったり、
彼の弁護人に対しても同様の気持ちに一旦はなるものの、
幾つかの事実が明らかにされることで、その心証は二転三転する。
彼の弁護人に対しても同様の気持ちに一旦はなるものの、
幾つかの事実が明らかにされることで、その心証は二転三転する。
それは被告である『ヤーセル』についても同様、
思いもしない過去が顕わになる。
思いもしない過去が顕わになる。
法廷劇としての外連味も十分に持ち合わせている。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。
自分達が起こしてしまった混乱に戸惑いつつも、
判決後は安堵と得心する余韻を残したエンディングは素晴らしい。
判決後は安堵と得心する余韻を残したエンディングは素晴らしい。
それにしてもフライヤーにある
「ただ、謝罪だけが欲しかった。」の一文は
二重の意味に取れ、全体を俯瞰した時に
ミスリーディングを招きかねない危ういものだと
観終わってからつくづく思う。
「ただ、謝罪だけが欲しかった。」の一文は
二重の意味に取れ、全体を俯瞰した時に
ミスリーディングを招きかねない危ういものだと
観終わってからつくづく思う。