RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

SUNNY 強い気持ち・強い愛@TOHOシネマズ錦糸町 2018年9月1日(土)

封切り二日目。

席数114の【SCREEN5】は満員。


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いや~それにしても『広瀬すず』ちゃん
可愛かったな。

普段の佇まいも十分良いのに、
怒った顔や変顔、泣いた表情に笑った風情と
全てが満点。

本当は上手いハズのダンスを下手に踊る技量も相当のものだし、
転校したての訛りの塩梅やぎくしゃくした所作も言うことナシだし。

あ~、彼女を観るだけで満足した。


大根仁』の最新作は鑑賞前には正直かなり懐疑的。

モテキ〕は素晴らしい出来だったけど、類似手法での
奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール〕は、かなりダメダメ。

韓国発の原典を翻案した本作は、前述の二作と
類似の手法からのアサインかな?

捲土重来的な位置付けと思われるが、豈図らんや
ものの見事に成功作。

二時間の尺をたっぷり、
笑いと時にほろりとさせられ十二分に楽しむことができた。


功の一因は狂言廻しである『阿部奈美』のダブルキャスト

女子高生時代を『広瀬すず』が、長じてからを『篠原涼子』が演じるのだが
両者は似ても似つかないのに、その仕草や佇まいに不思議と共通点がある。

それを見越しての芸達者のキャスティングは満点の選択。

他の主要なキャストを今昔で似たような面立ちの二人の別人で揃えておいて
(除く『池田エライザ』)、『奈美』だけを例外としたのは
特に演技の面で吉と出た。


次に舞台を1990年代に設定したこと。

「コギャル」が一種、時代のアイコンと化し
街じゅうを闊歩していた時代。

きらきらとした彼女等の日常を肯定も否定もせず
あるがままにすっと切り取っている。

過去と現在を自由に往還する手法は
その繋ぎ方も含めて極めて自然。

六人グループを構成する各々の
ムカシとイマの葛藤や悩みを
丁寧に掬い上げ過不足なく描き切る。


各所各所で使われる楽曲の選択も上々。

状況を楽曲で直截的に説明してしまう
モテキ〕での奏功した経験を敢えて踏襲せず
隠喩に止めたことも上手く機能した。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


唯一の不満は
現在の六人にあまりに生活感が無いことか。

昔の友人探しをするための原資や
使い回されるお金が、甚だしく現実と乖離している。

まぁそれも含めて、あくまでもオハナシと受け取れば良いのかな。