RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

レディ・プレイヤー1@チネチッタ川崎 2018年5月1日(火)

封切り二週目。

席数284の【CINE5】の入りは九割ほど。


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映像化されて改めて原作の凄さを思い知る。

しかもこれが外国人が書いたってんだから
そのオタクっぷりには畏敬の念さえ持つ。

特に海外産だけにとどまらず
日本のアニメ・特撮モノの有名どころが
大棚ざらえで大挙出演。

ガンダム』でしょ、『メカゴジラ』でしょ、『AKIRA』でしょ。


それに『スピルバーグ』のマニアックさが加わるので
もうどえらいことになってしまっている。

ハリウッドだから
これらの版権はほぼほぼ取ったのだろう。
どれほどの労力だったか。

分けても、おそらく彼が敬愛するであろう二つの映画が
内一つは重要な鍵の表現として、あと一つは舞台そのものそして登場する。

ここで観客はそう言った事柄への造詣が深ければ深いほど
本筋とはちと違う楽しみ方ができる。

特に二つ目の鍵を探すシーンでは笑った笑った。
あ~そっちに行ったら大変なことになるんだ~って。
あ~そこをそう変えたんだ~って。

勿論、映画の登場人物も全く同じことを考えていて
それだけでも彼等のオタク度合が計れるんだけど。


更に映像作品だけにとどまらず音楽作品でも同様。
1960年後半の〔クリムゾン・キングの宮殿〕のLPジャケットを模した絵が描かれていることからも
それは明らか。

また『ヴァン・ヘイレン』の〔ジャンプ〕も印象的に使われ、
いや~楽しい楽しい。


しかしこれらの多くはほとんどが脇筋。
一旦ゲームをコンプリートしても、それ以外の楽しみが用意されている
余禄のようなもの。

本筋は荒廃してしまった社会(=違う形のディストピア)に暮らす人達が
バーチャルな世界にしか存在意義を見出せなくなっている未来で
リアルを体感することの素晴らしさを再認識するまでの過程にある。


スピルバーグ』自身はおそらく、バーチャル世界は全否定では必ずしもなさそうだけど、
やはりリアルのふれ合いは人間を成長させるのだとの思いを強く感じる。

実態とアバターとの世界を自由に往還しながら
観る側にはそれを混乱させずに要領良く伝える
(一方、登場人物で勘違いしてしまう向きはあるのだが・・・・)
技量も流石のものだし。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


先に挙げたように、何処に何が出ているかを拾う作業も
二度三度と繰り返し観ることの楽しみになりそう。

寄ってたかってこんな作品を仕上げてしまう
制作者サイドの知識の深さに改めて感嘆する。