RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

キングスマン:ゴールデン・サークル@109シネマズ木場 2018年1月10日(水)

封切り六日目。

席数315の【シアター3】の入りは二割ほど。


続編の出来が落ちてしまうジンクスを
やはり破れなかったな、が
正直な印象。

勿論、他の多くのお馬鹿ムービーに比べれば
一頭抜けてはいるものの、
前作があまりに素晴らしかったものだから
どうしてもそのような感想になってしまう。


イメージ 1



一作目で複数提示された二面性が
本作ではほぼほぼ二つに絞られてしまったことで
面白さも狭まった可能性は
たぶんにあるかも。


その一つが、お下品さと上品さ。

お下品さについては、主人公の出自を勘案すればむべなるかな。

それ以外にも、グロやバイオレンス、エロやブラックユーモアー、ナンセンスが
ここぞとばかりに炸裂する。

それが英国紳士のエスタブリッシュと併せて描かれるものだから
そのアンバランスさは半端ではなく、もう腹を抱えて笑ってしまう。

鑑賞しながらも、彼の国の過去作品
<モンティ・パイソン>が思い出されて仕方なかった。

ただ「R15+」が「PG12」になったからだろうか、
今回の方がなんとなく突き抜けた感が薄れているのも事実。


ナンセンスさで言えば、
エルトン・ジョン』を「himself」として使っているのも素晴らしい。

仮にも「サー」の称号を持つアーチストを
彼の性癖も含め徹底的に使い倒す。

『エルトン』自身もそれに応える八面六臂の活躍。
七十歳にもなって若い若い。


ではあるものの、一方で瑕疵も多く、
特に冒頭のカーチェイス

公道を派手に使ってのそれは迫力満点、
アクションも斬新ながら、
車の改造にそれだけ手間を費やすなら
窓ガラスの防弾にもっと心を砕こうよ、と。

まぁもっとも、このシークエンスがないと
その後のハナシに繋がらないからなぁ・・・・。


そして最大の疑問は、(本話の根幹にもなるのだが)
謎の組織が「キングスマン」を、先ず襲う理由がさっぱりで、
こんなコトしなければ初動が遅れて
コトはもっとスムースに運んだろうに、と。

でも(以下、同文)。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


悪の側の登場人物である
『ポピー・アダムズ(ジュリアン・ムーア)』が創造した「帝国」の在り様が
極めてユニーク。

<地獄の黙示録>の『カーツ』大佐のそれに比べ
なんてキッチュなことか。

しかし、この場所も、
自分が居られなくなった故郷の別の側面であるわけだが。