RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

108 海馬五郎の復讐と冒険@TOHOシネマズ日比谷 2019年10月27日(日)

封切り三日目。

席数98の【SCREEN2】の入りは九割ほど。

 

レイティングは「R18+」。事前告知から
それはエロによるものと知っていたので
来場者はどんなかとワクワクしていたら
意外や若い女性やカップルの姿がそこそこ。

エロエロに期待する向きと
八面六臂の活躍の『松尾スズキ』のファン、
そして自分のようなお馬鹿映画好きが
ミックスされた客層の表れなのだろう。

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徹頭徹尾観客を笑わせることにこだわった一本。

そのためには、もう齢六十近い自分のかなり弛んだ
オマケに毛深い裸体を晒すことも厭わない。

判り易いベタなギャグに、捻りの効いたギャグ、
ほんの小さな小ネタ(入院中の父親の主治医の名前、とか)まで
連続して繰り出されるそれに館内は哄笑が止まらない。

今どきの日本映画で、これほどお馬鹿に突き抜けた作品はそうはない。

もっとも語り口のテンポが速すぎて、
気づく間もなく過ぎてしまうシーンもままありで、
鑑賞者のリテラシーも幾分試されている作り。


ストーリーの軸自体は他愛ない。

七年間連れ添った元女優の妻の不倫をしているらしいことをFacebookで知り、
離婚を決意するも慰謝料の分与に納得できず、
彼女のSNSに付いた108のイイネ!と同じ数だけ
お金にモノを言わせて女性を抱くという復讐劇の顛末。

『海馬五郎』は『松尾スズキ』の持ちキャラらしいけど、
随分と子供じみた気のちっちゃい思い込みの激しい人物設定。

またその取り巻きも、(肉親以外は)彼を全肯定するので、
一度決めた方向に脇目もふらずに邁進してしまう。

その過程がまた、笑いを誘う。

108は、除夜の鐘で撞かれる煩悩の数と同じなのも示唆的で。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。