RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

喜劇 愛妻物語@109シネマズ川崎  2020年9月19日(土)

封切り九日目。

席数89の【シアター9】は満員の盛況。

今日から全席販売が再開され、標題チェーンは
「ポイント会員感謝の日」にばっちり該当。

その恩恵にもあずかってのこの状況の一方で
政府および全国興行生活衛生同業組合連合会から最新のガイドラインが出され
全席販売時は劇場内での食事制限が掛かる。

要は飲食物販売はドリンク類のみで、
これは興行側には痛しかゆしだろう。

シネコンは平均して20~25%ほど席が埋まれば赤黒とんとん、
後はグッズや飲食で儲けられるモデルと聞いている。

席を減らしても食べ物の売り上げがあるのが良いのか、はたまた
席が増えて飲料だけの方が良いのか、悩むところか。
作品毎にコントロールできればベストだろうけどね。

もっとも、劇場側の告知に反して勝手に食べ物を持ち込む人もおり、
先のガイドラインも有名無実な気もするが・・・・

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冒頭、メヘテルハーネ〔ジェッディン・デデン〕がBGMとして流れ、
これにより、本作が家族内のごたごを主題に扱ったものと了解される。

何となれば『向田邦子』脚本の〔阿修羅のごとく(1979年NHK版)〕以降、
その種のテーマの際には繰り返し使われて来た楽曲。

本作の一方の主人公の職業が脚本家であることも同様に示唆するのだろう。


もっとも『豪太(濱田岳)』の場合は、最初の一本こそ評価されたものの
あとは鳴かず飛ばずのありがちなパターン。

虚勢ははるものの、稼ぎもなく、一人娘の面倒もあまり見ず、
家の中のこともほぼせずでパラサイト状態。

金があれば風俗に行ったりナンパしたりもできるのだがそれもかなわず、
身近な妻で欲望を満たそうとするも拒否られもんもんとする毎日。

それでいて外面だけは良く、ただ
頭の中はヤるための妄想でいっぱいと、ホントにダメな中年の右代表。


支える妻『チカ(水川あさみ)』は、パートに家事、娘の世話と八面六臂。
以前は夫の才能を信じサポートもして来たものの、イマイマではそれも疑問に。

自身の容姿の衰え、将来への不安が渦巻く毎日で、ついカリカリと家族に当たってしまう。


そんな折、『豪太』が以前に出していたプロットの映像化のハナシが持ち上がる。

シナハンとして作品の舞台となる高松へ家族旅行宜しく向かうのだが、
そこで騒動が持ち上がる


いや~それにしても、『水川あさみ』の振り切った演技に感服する。

足立紳』監督の〔百円の恋〕同様、『安藤サクラ』ならまだしも、
美貌で鳴らした彼女がこれを演るのかと、かなりびっくり。

擦り切れた勝負パンツをパジャマ代わりに使うわ、あっちこっちをぼりぼりかくわと、
汚い言葉は吐くわ、エロ満載の女子トークをするわと
かなりお下品な振る舞いがスクリーン上にこれでもかと炸裂する。

まぁもっとも、世の男性諸氏には見慣れた光景であるだろうけど。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


混沌とした泣き笑いの先に見えるのは、蜘蛛の糸のようなか細い光明。

なんだかんだとすげなくされても妻を愛する夫、
不実な裏の顔を知らずに、夫を盛り立てようとする妻。

今回のようなてんやわんやを繰り返しながらも、
この夫婦関係は続いて行くのだろう、たぶん。