RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

Re:LIFE リライフ@TOHOシネマズ新宿 2015年11月21日(土)

封切り二日目。

席数122の【SCREEN11】の入りは五割ほど。


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個人的には、この手のストーリーは
貴種流離譚のアレンジだと思っている。

光源氏』とか『竹取物語』だけど、
贖罪を終え、元の場所や地位に戻る場合もあれば、
その地で新しい花を咲かせる場合もあるだろう。

さて、本編は、どちらのパターンだろうか。


主人公は嘗てオスカーの脚本賞を獲ったことのある
『キース・マイケルズ(ヒュー・グラント)』。

典型的な一発屋で、その後は鳴かず飛ばず
妻とは離婚し、一人息子とは疎遠になっている。

遂に進退窮まり、頼ったエージェントに紹介された仕事は
大学のシナリオコースの講師。

しかも、その場所はニューヨーク州とは言うものの
所謂「NY」からは遠く離れた片田舎の「ビンガムトン」。

しかし、そこでの多くの人達との関わりや経験が、
何時までも過去の栄光に縋って生きてきた『キース』の心を
次第に解きほぐして行く。


物語は最初、二つの軸が提示され
この対比が滅法面白い。

一つは、西海岸と東海岸
前者はからっと晴天が多く、後者は晴れることが少ない気候。

次いで、ショウビズの世界とアカデミックの世界。
前者はくだけてフランクだし、後者はあくまでもカチッとしている。

何れも前者の右代表は『キース』で、後者は大学内の多くの人達が
その役割を分割し担わされている。

都度都度、笑いを取る会話の要素になっているのは勿論、
最初は対抗の指標であるのが、それらが緩やかに融和を始める。
人々の心が次第に化学反応を起こし、互いに良い変化に誘われて行く。

気持ちよく笑え、ほろりとさせられる。
それこそ脚本の妙味が効いている。


とは言うものの、音韻の部分では約者は工夫しているものの
伝えきれない恨みはある。

引用される人物の名前や作品名についても言わずもがな、
アメリカで幾ら有名でも、必ずしも日本でもそうだとは
限らないんだから。


役の面では海兵隊上がりの学科長を演じた
J・K・シモンズ』が出色。

なまじ〔セッション〕がエキセントリック過ぎたから
家でも学校でも女性の尻に敷かれている
家族思いの優しい父親のキャラクターが立っている。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


そしてまた本日も、「ぴあ」の調査員さんに声を掛けられる。
しかも、どうやら前回と同じお兄さんのよう。
劇場の中にまで入って、出て来るのを待ち構えているんだね。

80点と答えると、前回はなかった質問、
感想・鑑賞を薦めたい人・年齢・職業も聞かれる。

これらが何の役に立つかは判らないけど、
前述の内容を四行程度に纏めて話すが
観終わったばかりの時点では、まだまだ整理しきれてませんよ。