RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

アリータ:バトル・エンジェル@チネチッタ川崎 2019年2月23日(土)

封切り二日目。

席数488の【CINE12】の入りは八割ほど。


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少女がより大きな相手を倒す脚本には
やはり相当の無理があると思ってしまう。

同じ技量であれば、カラダの大きな方・体重の多い方が強いのは
自然の理だし。

しかし、本作の様なロボット・サイボーグものは
そんな前提を軽く超えてしまう。

小が大を制するのは当たり前、
要は内蔵されている機能にこそ
差別化の要素はあるのだから。

一例として『プルートゥ』を倒した『鉄腕アトム 』を挙げておこうか。

なのでそういった設定の面ではかなり安心して観ていられる一本とは言える
尤も、(自分の)理性に反して体の方は手に汗握るシーンの連続ではあるのだけれど。


主人公が参戦する「モーターボール」は
ローラーボール〕のアレンジかな。

元々、人による格闘スポーツであったものを
更にロボットがするようになった他の作品もあった記憶があるけれど
ちょっと思い出せない。

それ以外にも{サイバーパンク}の要素も持ち込んで
随分と賑やかな仕掛けのアクション。


が、根底には脚本・製作の『ジェームズ・キャメロ』が得意とするテーマ「愛情」が盛り込まれ、
人と人、人とアンドロイドの心の交わりがパターンを変えつつ描かれる。

おそらくそれがために、主人公の外見をCGで覆った特異な形にしているのだと思われる。

人のようであって実は人ではない、それを折にふれ認識しながらも
観客は主人公に感情移入し、彼女の不幸に涙し、思いやる周囲の人間の心根にも涙する。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


『アリータ』が見いだされる経緯からも判る様に、
この映画の基本プロットは貴種流離譚

「おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に・・・・」や
「竹取の翁は・・・・」と同様のそれ。

なので彼女は、まだ本来の目的を達せてはいない。

どう考えてもこれは、続編の制作が念頭にあるよね、って
思ってしまう。