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MOMAT コレクション@東京国立近代美術館 2015年11月3日(火)

本日無料の日。


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所謂、収蔵作品展だけど、
勿論、目当ては
藤田嗣治、全所蔵作品展示。」


四階の半分と三階の半分、計一フロアー分のスペースを使用し、
所蔵する二十五点に特別出展の一点、
おまけに戦争画は十四点もあると言う充実ぶり。

当該館には直近、折にふれ通ってはいるけれど、
目にしたことの無い作品も多数。

〔南昌飛行場の焼打〕〔武漢進撃〕〔哈爾哈(はるは)河畔之戦闘〕等は
その例。
中には、キャンバスに穴が開いていたり、ほつれたりと
保存状態がかなり悪いモノもあり、その絵が辿った変遷を考えると
それだけで胸が痛くなる。


また、
〔ソロモン海域に於ける米兵の末路〕や〔神兵の救出到る〕は英題が夫々、
〔The Enemy’s Fate in the Battle of Solomon Sea〕
〔Soldiers Rescuing Indonesian Civilians〕となっており
前者では漂流する船の周りを鮫が泳ぎ、遭難した水兵達の行く先を示唆するし、
後者では、旧宗主国の主人により縛られ屋敷に取り残された現地人の家政婦を
日本兵が救う場面。

それらが何処まで真実のコトと信じていたんだろうか。


アッツ島玉砕〕や〔血戦ガダルカナル〕で兵士が団子状態になり、
敵味方の区別も判然とせず、くんずほぐれつするさまは、
〔○○部隊の死闘−ニューギニア戦線〕等にも援用され
それらに囲まれた展示室の中央に立てば
息苦しささえ覚える。


そして、改めて考える、
これは本当に賛美している画なのかと。

特に戦況が悪化して以降のそれは、
やはり、とってもそうとは思えないのだ。


会期は~12月13日(日)まで
一般の入場料は430円。
企画展”てぶくろ|ろくぶて”も鑑賞可能。

ちなみに事前告知が行き届いているのか、
場内はかなりの人で混雑している。
「無料の日」にこれだけの入りは嘗て記憶にないほど。