RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

くちびるに歌を@109シネマズ川崎 2015年3月19日(木)

封切り三週目。

席数72と小さめの【シアター10】の入りは満員の盛況。


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長崎県五島列島の小島に
『ガッキー』が産休補助教員としてやって来るところから
物語りは始まる。

そう『ガッキー』。
「ポッキー」のTV-CMの印象は鮮烈で、
当時18歳の、あのむちゃくちゃ可愛い女の子が
こんなに大きくなって等身大の女性を演じるなんて。

それだけでもうおぢさん達の心臓は、ぎゅっと
鷲掴みにされちゃうだろう。


一部ではこの作品と「部活対決」と表現する向きもあるようだ。
が、実際の中身は、かなり様相を異にしている。

なぜなら本作の主要な登場人物達は揃いも揃って不幸の影を背負っている。

一時は天才美人ピアニストと持て囃されたのに、
何故か今ではピアノを弾かない『柏木ユリ(新垣結衣)』。

父親にネグレクトされ、祖父母と暮らす『仲村ナズナ恒松祐里)』。

自閉症の兄がいるために、自分のしたいことができないでいる『桑原サトル(下田翔大)』。

しかし、この三人に共通するあるコトが揃った時に、
それは小さいかもしれないけれど奇跡が起きる。

この伏線の張り方も、比較的良くできている。


そして本作の主題にもなっている『アンジェラ・アキ』の〔手紙~拝啓 十五の君へ~〕は
繰り返し流されるのだが、何度聞いてもしつこさがない。

それどころかシーン毎に背景や歌い手が変わるため、
観ている側は、複数回重ねられても、ついうるるっと来てしまう。

元々が名曲であるのに加え、使い方が上手いからで
ここまで来ると至芸。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。


それにしても本作での『ガッキー』の演技は
前作の〔トワイライト ささらさや〕に比べると長足の進歩がある。

アップの場面での、妙に強気になったり、無表情になったり、
時としておどおどした表情を見せたり。

それらが、何の違和感も無く、一人の中にあって当然の様に表現される。
一皮剥けた感アリ。