RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

博士と彼女のセオリー@109シネマズ川崎 2015年3月19日(木)

封切り七日目。

席数の130の【シアター2】の入りは九割程度。


イメージ 1



「ALS」の物理学者として知られる『ホーキング』博士の半生記。
と、共に、糟糠の妻であった『ジェーン』についても
かなりの時間を割いて語られる。


自分達がモノゴコロついた時には彼は最早そのような状態であり、
我々はカラダの不自由な状態しか知らない。
が、よくよく考えてみれば当たり前のコトだけど
それ以前には人並みの生活や青春があったわけで
本編ではその辺の情景を、煌くような美しさで描き出す。


博士が今見る様な症状になったのは60年代前半のことなので、
もう半世紀も命を繋いでいるのは驚嘆に値する。

劇中でも、当時の医者からは余命二年を告げられているが、
それが現在まで永らえているのは、本人の努力も勿論だろうけど、
科学や医療が長足の進歩を遂げたことも大きいだろう。

足の機能が失われれば、最初は車椅子が、やがては電動に変わり、
声が失われれば、合成音声システムがとって変わる。

介護のシステムについても同様で、ただそれは、
以降一家の生活に影を落とすファクターになって行くのだが・・・・。


それにしても、最近の作品に頻出する傾向で、
存命中の人々を伝記風に描くのってどうなんだろ。

スタッフロールには、
原作として『ジェーン』の著書が使われている旨のクレジットがある。

そのためだろう、主人公達の微妙な関係については、
あくまでも、もやもやっと描写され、その間に何が起きたかについては
見る側の判断に委ねられている。

それが気遣い、なんだろうか。
ちょっとフラストレーションの溜まる瞬間ではある。

多分、二人は出来上がった作品を実際に鑑賞しているのだろうが、
その時の反応はどんなものだったんだろうか。気になる。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。


主演の『エディ・レッドメイン』はこれで「アカデミー主演男優賞」を得ている。
外見からして酷似し、演技も上々なのは勿論だけど、
ある意味判り易すぎる。