封切り二日目。
席数150の【SCREEN4】の入りは四割ほど。
コミックスで言えば、前作(2017年)は、ほぼほぼ10巻まで。
そして本作では、例えば1巻からのエピソードの借り出しはあるものの、
ほぼほぼ13巻まで。
なので「To Be Continued」の文字をスクリーン上に見た時は、
(どれだけの尺を取るのかは分からないが)次作で27巻までを描き切れるのかと
不安がとととと胸をよぎる。
相当の省略をしないと何ともならないよねぇ、と。
なまじ原作の構成がしっかりしているだけに、
忠実に作っていれば、良作になるのは論を待たず。
それを変に手を入れてしまうことで、
矛盾や疑問が湧いてしまう。
それが無残にも表出してしまったのだが前作で、
脚本・演出・役者(特に子役)の三拍子が揃ってダメとの、
無残な一本。
今回も、先に挙げた組み換えがあることで、
設定的にも違和感のある印象。
とは言え本作、全体的な出来としては前作よりもかなり良くなっている。
あれから五年も経ち、主要な二人にもかなりの進歩がみられるはその一因。
加えてアクションについては最初から薄めにしてしまい、
人間関係や心理のドラマ部分を厚めにしたことが
全体的な仕上がりには吉となった。
もっとも、歳月の経過は残酷で
『本田翼』は29歳になり、
『山田涼介』も同い年か。
なので、少年から青年への成長譚とのテーマは
かなり斟酌をしないと辛い状況。
一方で、『ウィンリィ』を演じる『本田翼』が
原作と同じ服装で出て来るので、
健康的を通り越した艶めかしい肢体になってしまい、
鑑賞する側からすれば嬉しい余禄。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
『寺田心』の演技が酷いコトを除けば、
新たに登場した全ての人物について(いや、過去作もそうであったのだが)、
役柄にぴたりと嵌ったキャスティングと造形、
とりわけ
『ランファン(黒島結菜)』
『キンブリー(山田裕貴)』
『アレックス・ルイ・アームストロング(山本耕史)』
『ホーエンハイム(内野聖陽)』
『ブラッドレイ(舘ひろし)』
は、素晴らしい。
どうやら次作でも、この流れは踏襲されるよう。