封切り三日目。
席数407の【CINE11】の入りは二割ほど。
このコロナ禍の中で、エンタメ業界も多くの試みが成され、国内だと
例えば昨年五月に〔12人の優しい日本人を読む会〕が無料で生配信されたり。
やはり「Zoom」を使った仕掛けも、
本作は全編がPCの画面上で展開される〔search/サーチ(2018)〕などにより寄せた感。
ロックダウンされたイギリスで開催された「Zoom交霊会」、
うち一人のふざけた言動を機に、怪異が起こり出す。
それは所謂「ポルターガイスト」と言われるもの。
最初こそは「ラップ音」だったり、モノが動く等の現象だったが、
次第にエスカレーションして行き・・・・、との筋立て。
日本で交霊と言えば「コックリさん」や「口寄せ」だけど
海外だと「降霊」になるのね。
ここいら辺〔雨の午後の降霊祭 (1964)〕を右代表とする例かも。
舞台も同様にイギリスだし。
描写される怪奇現象に既視感はありまくりも、
本作の一番の手柄は、ホラーや連続殺人ものにありがちな疑問~
集団でいればより安全度が高まるハズなのに、
何故か犠牲者がバラバラに行動してしまう~を
最初からクリアしていることにある。
それでいて皆々が共通の存在に襲われるとの設定は、
イマイマの閉塞状況を逆手に取ったまさにアイディア。
加えて(緊急時なのに)移動前にはマスクを着用や、
セレブレーションをエルボーでする等のイマイマな表現もきっちりと盛り込み。
上映時間自体は108分の短尺。だからか
「@チネチッタ」では千円均一の料金設定。
先ずイントロダクションがあり、
「Zoom」の無料版の制限時間40分で全てが終わる仕掛けも面白い。
エンドロールもアプリの画面をそのまま使用したもので洒落が効いている。
そして
最後には本編撮影前にスタッフ達で降霊会を体験したところ、
不思議な現象が起きたそのままを使用しているとのボーナストラック部分。
緩急を上手くつけながら、
ラストシーンに向け恐怖感を盛り上げる流れも
なかなか堂に入っている。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
ちなみに現時点での評価は「IMDb」で6.6、
「Metascore」では73。
一般のウケはそこそこ、
玄人筋はまずまずといったところ。