RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

“隠れビッチ”やってました。@109シネマズ川崎 2019年12月10日(火)

封切り四日目。

席数89の【シアター8】の入りは三割ほど。

f:id:jyn1:20191212081621j:plain


思わせぶりな態度で男をその気にさせておき
すんでのところでさっと身をかわす。

ご馳走されたりプレゼントされることではなく
ただちやほやされることが目的。

服装や仕草に気を使い常に清純さを装う。

時として危険な目にも遭うけれどそれもスパイスだったり。

そんな女性のことを本作では「ビッチ」と称し、かつ
周囲にその意図を知られることなく、限りなく行為を繰り返すため
「隠れ」の呼称を冠す。


これほどとんでもない人間がホントに居るのかと訝ったら、
『あらいぴろよ』の実体験を綴った漫画が原作らしい。

最初からその気もなく、ゲーム感覚なのだから、
腐っていると言えばよいのか、邪道・外道と表現すればぴったりするのかと
開いた口がふさがらない。

根底にあるのは男性に対する不信、
特に幼い頃に実父から受けたDVなのだと聞かされても
コケにされるのは罪の無い(でも下心はある)男性なのだから
その造形にあまり共感できはしない。


でも一連のエピソードをテンポ良く見せられると
面白いのは間違いない。

加えて主役の『佐久間由衣』のはじけっぷりが凄い。

モデル出身だけあって、すらりとした体形に長身、おまけに小顔。

なのに私生活の場面では太腿をぼりぼりかきながら、
鼻くそをほじりながら電話をしてるんだから随分と思い切った役創り。


そんな「ビッチ」である『荒井ひろみ』が
本当の恋をし真実の愛を見つけ出せるのかが後半部の建て付け。

本人が変わるには幼少時のトラウマをなにがしかで乗り越える必要が。
それをどのような挿話で納得感を出すのかが
制作サイドの手腕が問われるところで、
まずまず印象的な場面を描写するのに成功しているかと。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


冒頭、ご丁寧にエンドロール後も物語りが流されるので
席を立たぬようにとのお節介なテロップ。

そこでの一コマはなるほどタイトルを反映した内容。

監督・脚本の意図はイマイチ見えないけれど、
ホントに必要なシーンだったかなぁ