RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ドクター・スリープ@109シネマズ川崎 2019年12月10日(火)

封切り十二日目。

席数72の【シアター10】の入りは八割ほど。

f:id:jyn1:20191213082234j:plain


「オーバールックホテル」の惨劇から四十年後、
一緒に逃げ延びた母親も亡くなり
『ダニー(ユアン・マクレガー)』もはや中年、
父親と同じアルコール依存症に苦しみ無為な日々を送っている。

そんな彼が自分と同じ能力を持つ少女『アブラ(カイリー・カラン)』と
彼女をつけ狙う集団の存在を知ったことから
嘗て『ハロラン』が自分にしてくれたように『アブラ』を助ける決意をし
闘いに身を投じる。


{ホラー}嫌いではあるけれど
名画座を含め〔シャイニング〕は劇場で二度観ている。

まぁ傑作だよね、やはり。時代を先取りする幾つもの技術、
役者の演技、数々の演出、映像美と全てを総合して。

ところが『スティーヴン・キング』は
スタンリー・キューブリック』の監督作を気に入らなかったのは有名な話で、
のちに自身でテレビドラマ版を製作しているほど。

ただね原作者の思惑とは別に映画版の素晴らしさに揺るぎはない。
その存在感は圧倒的。


そういった因縁を思い出しながら本作を観る。

そこでは戦いの舞台として、
小説ではラストで既に消失しているハズの
件のホテルが再び選ばれる。

今回の監督『マイク・フラナガン』は
映画と『キング』の二つの小説とで
それなりに折り合いを付けたながら作品化をしているよう。

要はどちらも立てる試み。

映画版のリスペクトもそこかしこに感じられはする、もっとも
同じよう構成のシーンでも『キューブリック』が撮るのと
他の人では、纏っている空気の不穏さが違って感じられるのも事実。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


小説〔シャイニング〕の四十年後を映画版の設定を活用して創った
ハイブリッドの一本として見た方が良いだろう
少なくとも映画の続編とするには当たらない。