封切り二日目。
席数290の【CINE4】の入りは三割ほど。
なんとも短慮な殿様もあったもの。
オマケに一着になった者には望むままの褒美を取らせると付け加えたものだからさあ大変、
武士だけでなく、町人・百姓まで色めき立つ。
武士だけでなく、町人・百姓まで色めき立つ。
八百長を持ちかける者、取引や脅しをする者、賭けをする者。
おそらくここまでが、大まかに史実。
これらを膨らますだけでも十分に楽しめる一本になった可能性が大なのに、
製作者サイドはもう一つの要素を盛り込んでしまい、
それが結果的に本作の価値を落としめる主因になっている。
製作者サイドはもう一つの要素を盛り込んでしまい、
それが結果的に本作の価値を落としめる主因になっている。
原作者は『土橋章宏』と聞いている。
そちらの作品にも、幕府による藩のお取り潰しの思惑が持ち込まれ、
薬味として機能しているうちは良かったものの、
〔リターンズ〕の方ではその色が濃く出過ぎてしまい
かなりつまらない一本に堕してしまった。
薬味として機能しているうちは良かったものの、
〔リターンズ〕の方ではその色が濃く出過ぎてしまい
かなりつまらない一本に堕してしまった。
にもかかわらず本作でも
まるっきり同じ轍を踏んでいる。
まるっきり同じ轍を踏んでいる。
陰謀によって走らされてしまう善意の人々、と
基本プロットはまるっきり同一な訳で
これでは単なる焼き直しじゃあないか。
基本プロットはまるっきり同一な訳で
これでは単なる焼き直しじゃあないか。
幕府ができた当初から
各藩に存在する隠密の(「くさ」と表現)存在や暗殺者の派遣。
各藩に存在する隠密の(「くさ」と表現)存在や暗殺者の派遣。
盛り上げるエピソードとしてはアリも、
時制的な矛盾や背景の説明と実際の行動とに乖離があり過ぎで
全く物語り世界に没入できない。
時制的な矛盾や背景の説明と実際の行動とに乖離があり過ぎで
全く物語り世界に没入できない。
前半の面白さに引き比べ後半は全くのダメダメで
特に最後のシークエンスなどはそれは有り得んだろうとの噴飯モノ。
特に最後のシークエンスなどはそれは有り得んだろうとの噴飯モノ。
にもかかわらず戦闘シーンは妙にリアルだったりするから
始末に負えない。
始末に負えない。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
随分とオールスターキャストを揃えながらも、
十分に生かし切れていないのが残念で。
十分に生かし切れていないのが残念で。
特に『小松奈々』が演じた『雪姫』などは
一体何のための造形なのかすらさっぱり。
一体何のための造形なのかすらさっぱり。
江戸の遊学の願いが叶えられず出奔する手だてとしての遠足の利用も
参加の仕方を変えた方が余程面白い脚本に化けただろうに。
参加の仕方を変えた方が余程面白い脚本に化けただろうに。