RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ここは退屈迎えに来て@109シネマズ川崎 2018年10月20日(土)

封切り二日目。

席数100の【シアター3】の入りは四割ほど。

橋本愛』ちゃんと、『門脇麦』の夢の様な共演。
これを観ずにおれようかと勇躍劇場に向かえば
館内には同じような思惑とおぼしき
お腹が出て頭髪の薄いおぢさんが多数。

うん、うん。わかる、わかるよ。
皆、同じ期待だよね。


イメージ 1



冒頭から複数の時代の異なる人物の挿話が
散発的に語られる。

ありがちな手法ではある。
しかし本作に限っては、判り易い語り口とはとても言えない。

都度「20※※年(の出来事)」との表示はあるものの、
年代だけでも四つ、登場人物だけでも十人はいるので
脳内整理が一苦労。

短いエピソードが粛々と積み上げられ且つ
会話中には氏名すら明示されないので
観る側は著しく混乱する。


しかし中途から、どうやら富山市内の高校で同時代を過ごした人物達の
イマイマとそして昔の出来事が描写される群像劇だと判って来る。

一旦、故郷を離れ、十年振りに舞い戻って来た『私(橋本愛)』と
生まれた街を離れる事無く暮らして来た『あたし(門脇麦)』。

この二人が狂言回しかと思えば、どうやらそれも違っており
高校時代に校内のスターであった『椎名くん(成田凌)』との関係性を核に
オハナシは展開される。

どれもこれもが思惑を裏切る流れで進んでいく。


で、〔ゴドーを待ちながら〕の様な流れになるのかと思えば
それすらもあっさりとひっくり返し、
最後には冷水を浴びせられる場面も設定され、
あぁでも美化された思い出なんて、こんなものかもしれないと
自分の身に引き当て悲しくなったりもする。

が、そんな中で
将来成りたいものがあり、今いる場所から飛び立つことを夢見ていた時代こそが
いかに輝いていたかが提示される。

人間は現在の居場所や境遇に、なかなかに満足できないもの。
そこからの救済を常に望んでいる。

けして夢破れてもおらず、くすんでいるわけではないけれど、
希望に満ちていた十代後半のあの一瞬の煌めきが今との比較で燦然と光り出す。

ちょっと変化球な表現と思った。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


流石に『門脇麦』はムリムリだったけど
『愛』ちゃんのセーラー服姿はまだまだいける。

アップの多用にも十二分に耐えられ
その年代の設定も全然OK。

先に挙げたおぢさん達の要望には
存分に応えたビジュアルだったかと。