封切り八日目。
席数118の【シアター5】の入りは満員。
客層は高齢者が圧倒的。
100分程度の尺の小品。
内容も、折々の出来事が淡々と積み重ねられるだけで
ドラマチックな展開はほぼ無い。
ドラマチックな展開はほぼ無い。
本来であればこれほどの集客は無かったろうに。
それでも、その佇まいの美しさに魅入ってしまうのは
間違いのないところ。
間違いのないところ。
一見、彼女が主人公の様にも見えるけど
オハナシの主体となるのは
お茶の稽古をする場所そのもの。
オハナシの主体となるのは
お茶の稽古をする場所そのもの。
茶菓子にさえそれは現れる。
時々に応じて替えられる床の間の掛け軸、
生けられる花や花器も同様。
生けられる花や花器も同様。
古き良き、とはあまりにも手垢の付いた表現だけれど
隅々にまで日本人の心根が行き届いている。
隅々にまで日本人の心根が行き届いている。
お茶の稽古のシーンが全体の場面の殆どを占め
繰り返し描かれる理由はそこにある。
繰り返し描かれる理由はそこにある。
それを観ているだけで、気持ちが温かくなって来る。
劇中引き合いに出される『フェリーニ』の〔道〕は
初見では解らなくとも環境が変わり年代を経れば
理解に到る場合があるとの寓意だろうが、
我々は本作に『小津』が好んで描いた
何気ない日常の繰り返しによる居住いの善さを見る。
初見では解らなくとも環境が変わり年代を経れば
理解に到る場合があるとの寓意だろうが、
我々は本作に『小津』が好んで描いた
何気ない日常の繰り返しによる居住いの善さを見る。
主人公の名前もたまさか『のりこ』だしな。
評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。
随分と前に亡くなった伯母がお茶の師範の免状を持っていたことを思い出す。
稽古をとは思わなかったけれど
一連の流れだけでも教えて貰っておけば、と
今更ながらに悔やまれる。
一連の流れだけでも教えて貰っておけば、と
今更ながらに悔やまれる。
それがあるだけで
美の視点についても
今とは異なる観方ができただろうに。
美の視点についても
今とは異なる観方ができただろうに。