RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

DESTINY 鎌倉ものがたり@109シネマズ川崎 2017年12月10日(日)

封切り二日目。

席数345の【シアター6】は満員の盛況。


予告編を見る限りでは
何処かで見聞きしたことのあるエピソードや表現、
例えば「イザナギイザナミ」の神話、
千と千尋の神隠し〕の特定シーン、
スターウォーズ〕のクリーチャー、
などなどが満載で、やや食傷気味な感。

が、世評がどうにも高く
それならば、と
重い腰を どっこいしょ とあげた次第。


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鎌倉は魑魅魍魎と人間が共生し
時間の流れも東京とは違う、とは
主人公の夫である作家『一色正和(堺雅人)』の弁。

成る程、夜には妖怪達による夜市が開かれ
庭では河童が往来し、狐の血を引く刑事まで登場、
あまつさえ貧乏神まで住み着く始末。

導入部ではそういった 鎌倉らしい エピソードを次々と並べ、
それらが不思議ではないこと、そして物語のテーマである
夫婦間の愛情についての、幾つかの類型が示される。


異種間の混淆については納得も、
どうにも気になるのが舞台の時代設定。

会話中に「江ノ電」の旧型電車についての言及、或いは
福沢諭吉」の一万円札が劇中で使われていることから
どう考えても2004年以降のハズなのだが、
走っている車の多くは昭和30~40年代の年式、
服装も、その頃のモードと最近のファッションが混在していたり。

時の流れさえも曖昧にすることで
ファンタジーさをより醸そうとしているのかな。


そして件の作家の妻『亜紀子(高畑充希)』が
「あやかし」の策謀により「黄泉の国」に連れ去られたことで
『正和』は彼女を取り戻す為に、死者の国に乗り込む決意をする。

此処で夫婦の愛情のカタチの一つが提示され
その強さが試される。

そして妖怪にも「黄泉の国」と「現世」を
自由に往還できるモノとできぬモノが存在することが
オハナシの一つの鍵となる。


実は主演の『高畑充希』の演技が
冴えに冴えることで、物語の興味がいや増す効果を生んでいる。

直近の〔泥棒役者〕でもそうだったけど、
彼女の成りきり方は半端ではなく、
イマイマ一番旬の女優さんではないだろうか。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


例によってエンドロールも
最後まで見なくてはいけない。

そこで提示される小道具の数々は何れも
本編中で『亜紀子』が手に取るモノなのだが、
実はストーリーの核を成すエピソードを構成する
重要なパーツなのだと言うコトが、
全てを観終わった後では理解できる。

正直、こういった小細工は、結構好きだったりする。