RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ナラタージュ@TOHOシネマズ川崎 2017年10月14日(土)

封切り八日目。

席数158の【SCREEN3】の入りは七割ほど。

主演俳優目当てだろうか
客層は女性の比率がかなり高め。


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所謂「嵐」の『松 潤』らしさを期待して観ると
肩透しを喰った気分になるかもしれない。

それほど本作で彼が演じる役どころは
目立たないし風采も上がらない中年の高校教師。

しかし特定の類いの女性を
磁石のように惹き付ける魅力を発散する
ある意味「ズルい男」。

本人もそれを解かって行動している節もあり、
同性の眼からすればかなり癪に障るタイプ。


しかしここで描かれているのが
彼本来の真正の姿かと言えば、それは甚だ疑問。

何故ならオハナシは主人公である『工藤泉』の一人称として語られるので
あくまでも彼女の目から見た『葉山貴司』であり
都合良く脚色されたキャラクターの可能性もあるわけだ。


物語りは『泉』が社会人となったイマイマと
大学時代、高校の頃を自在に往還しながら進行する。

エピソードもパズルのピースの様にばらされて提示されるし、
カット割りも三つの時代を隣接させ繋げているので
頭の中でそれらを整理し再構成する必要がある。

が、それ故に、ゆったりと進行する二時間半の長尺にも係わらず
独特の緊張感が持続する。


加えて『有村架純』の出来が上々で、
ほんの数年づつの差異である三期間を、外見だけでなく雰囲気も含めて
綺麗に演じ分けている。

たいしたものだなぁ、と
感嘆してしまう。


原作は「この恋愛小説がすごい!」の2006年版で
一位を取ったとのこと。

しかし全てを観終えて、
二人の繋がりは「恋愛」であったのかと、甚だ疑問に思ってしまう。

それは、もう一人の登場人物『小野玲二(坂口健太郎)』との関係においても同様。

ただそのことは、演劇部の後輩が起こしたある事件により
好まざる内に気付かされてしまうのだけれど。

何れにしろ、二人には区切りを付けるのに必要な出来事であり、
特に『泉』にとっては、少女時代を終わらせる為のイニシエーションであった訳だが。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


監督の嗜好だろうか、全編に渡りかなり凝った撮り方がされており、
随所随所でニヤリとさせられる箇所が幾つもある。

また劇中で、古い映画の画像やタイトル・科白が
複数効果的に使われているけれど、
幾つかの場面では、シーンそのものを援用しているケースも。
自分が気が付いた箇所は
〔モロッコ〕や〔砂の器〕あたりか。それ以外にも
まだまだあるかも。