RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

サクラダリセット 前篇@TOHOシネマズ新宿 2017年4月1日(日)

封切り七日目。

席数73の【SCREEN12】は満員。

基本的にティーン向けのジュブナイルと思っていたんだが、
客の中には子供を連れたお母さんもおり、
こんなにちっちゃいお子達が理解できるんだろうか、と
他人ゴトながら心配になる。


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一旦「リセット」と唱えれば
最大で三日間時間が巻き戻る。

幾つかの制限事項も加わっているので
設定自体は面白い。

しかし本編では、それが初手から大いなる矛盾を抱え込んでしまっている。
唱えた本人ですら、時間が退行した時には「リセット」した記憶が無くなるため
「絶対的な記憶能力」を持つ『浅井ケイ(野村周平)』とのペアでなければ
その能力は意味を持たないハズなのに、
『春埼美空(黒島結菜)』は『ケイ』と初対面の時に
自分がチカラを発動した時のことをなぜ憶えている、との疑問。


一人が一つだけの能力を持つとのシバリも実は良く出来ていて、
複数の人間が集まらないとコトを成しえない前提になるのだが、
そこでも矛盾はたっぷりと出て来て、
「リセット」と「セーブ」の二つを持つことは、百歩譲って許容するにしても
能力が「対象消失」のハズなのにリセット後も記憶が保持できていたり
現在で得たモノを過去に持ち帰れたりと、
もうやりたい放題。

あまつさえ、「能力をコピーする」能力を持つ人間が出て来た日にゃ、
大勢が集まって行動する意味すらなくなっちゃうでしょ、と
もう構成がぐずぐず状態。

基本的にはデッキを作って臨む
カードゲームと同じ仕立てなわけで
その組み合わせが妙味な訳だから、
もっとフェアに観る側に相対して貰わないといかんでしょ。


〔後編〕で何らかの収斂を見ると想定される
「管理局」が絡む陰謀らしきものの存在にしても、
そう言った筋書きにしないと盛り上がりに欠けるからだろうけど
取って付けたようで釈然とはしないし。


評価は、☆五点満点で☆☆☆★。


魅力的な各要件を奔放に広げてみせるならまだしも
ご都合主義に使い過ぎているので、矛盾が其処此処で露呈してしまい
物語り世界に没入しきれない、要は脚本がまるっきりなっていない。


そしてまた、設定の面白さから言えば
各人の能力は「咲良田」市の中でしか発動しない、との
要件も上々で、ただ
インディ・ジョーンズ/最後の聖戦〕にも同様のエピソードが有ったコトを思い出す。

聖杯で飲んだ聖水の不老不死の効力は
聖域内に限られる、とゆ~やつだね。