RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

パッセンジャー@109シネマズ川崎 2017年3月31日(金)

封切り八日目。

席数130の【シアター2】の入りは六割ほど。

この手の作品にしては客層が
老齢に振れているのは正直、意外。


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近未来。
人口の爆発と環境の悪化により
人類は生存に適した近隣の惑星をコロニー化し
次々と移民を送り込んでいる。

近隣と言っても5,000人が搭乗する
「アヴァロン号」が向かう先は片道120年彼方の星系。

乗客はコールドスリープにより
到着の数か月前に自動的に目覚めるハズなのに、
その内の一人『ジム(クリス・プラット)』だけは
予定よりも90年早く、
更にはその1年後には『オーロラ(ジェニファー・ローレンス)』も
目覚めてしまう。

やがて二人は
ストックホルム症候群」か「つり橋効果」かは定かではないけれど
互いに惹かれ合うようになる。


ターミネーター〕が{SF アクション}の皮をかぶった
実は恋愛映画であったように、
本作は{SF サスペンス}の体をした、やはり恋愛映画。
しかも、愛憎の部分の描写がより濃厚になっている。

〔エイリアン〕や〔グラビティ〕でも感じたコトだけど、
宇宙船というのは全くの閉鎖空間。
このことを改めて思わせるエピソードが多く盛り込まれ、
どこにも行き場が無い閉塞感を、より強く認識することになる。


やはり、過去の作品からの記憶としては、
バーのシーンが特徴的。

アンドロイドのバーテンダーが担う役目は
〔シャイニング〕のそれを想起せざるを得ず、
最初はほのぼのとしたものであっても、
やがて剣呑なシーンが提示されるのではないか
(実際、そうなるのだが)と、
我々は良くない期待をしてしまうのだ。


そして、女性の主人公の名前が
『オーロラ』であることから判るように
〔眠れる森の美女〕からの引用も多く盛り込まれ
思わずニヤリとしてしまう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


ことほど左様に、
過去作品からの記憶が横溢しながらも、
その設定に新しさもある、実は密室劇。

登場人物も極めて過少で、
感情移入がすこぶるし易い一作。