RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

後妻業の女@TOHOシネマズ錦糸町 2016年9月1日(木)

封切り六日目。

席数172の【SCREEN1】の入りは八割ほど。

何でかしらんが老齢の夫婦連れがやたら多い。
身につまされるテーマなんだろうか。


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新聞や雑誌で目にしない日はない熟年向けの婚活広告。
「××会」とか「○○相談所」とか。

その何れもが会員の身元の確からし
或いは社会的なステイタスの高さを謳っている。

世の中そんなに立派な人間がいっぱいいるのかよ?
と、常々疑問には思うけど、
少なくとも建て前上は、そ~ゆ~コトになっている。


本作の主人公『小夜子(大竹しのぶ)』は
相談所の所長『柏木(豊川悦司)』と組むことで
そう言った背景を上手くクリアし詐欺を繰り返している。

余命幾許もなさそうな老人を結婚相手に選んでいる上に、
場合によっては手管を弄して冥途へ早く行けるお手伝いまでしてしまうんだから
始末に悪い。

そう、本作は、けして愉快ではないけれど、
ウェルメイドなピカレスクロマンな訳だ。


元々「△△新聞」や「□□誌」に広告が載っていることなんて
なんの保証にもならないし、ましてや犯罪者同士がぐるになって仕掛ければ
欺かれる人間は幾らでも出てこようと言うもの。

件の二人がどのようにして共同戦線を組むに至ったかは
詳らかにはされないけれど、
そこは流石に『大竹しのぶ』、初老らしくない色気をふんぷんと撒き散らし、
ああ、こんなおばさんなら、入れ揚げる男は幾らでも居るだろうなと思わせる
上々の配役。


勿論、最低遺留分や重婚期間とか
疑問に思う箇所はあるけれど、そこいら辺は『柏木』が暗躍することで
上手く糊塗している風に見せる工夫はある。

もっとも鑑賞後の後味は、けして良いものではないけどな。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


そしてもう一人、欠かせないのが
相続されるはずの遺産を『小夜子』に全て持って行かれそうになる
『中瀬朋美』を演じた『尾野真千子』。

二人の丁々発止のやり取りは、
脂の乗り切った女優と旬の女優の極めて激しい見せ場でもある。

これだけ達者の二人であれば、安心して観ていられる。

海外の作品ではあり得ないハナシだけど
邦画はホントに下手の主演でも成立してしまう変な業界だからね。