RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

レヴェナント 蘇えりし者@TOHOシネマズ新宿 2016年4月28日(木)

封切り七日目。

席数184の【SCREEN5】の入りは九割ほどと盛況。

「R15+」だけあって、客層は高齢に振れている。


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エンドロールの一部で
事実を下敷きにした物語であることに触れられている。

気になって調べると『ヒュー・グラス』の生還譚は
アメリカではかなりの人気だと言うことが判る。

子供を殺され云々のエピソードは、
困難な環境を生き抜くためのモチベーションを持たせ
よりドラマチックに見せる為の映画用の演出であるようだ。


本作での世界観は、我々が西部劇で見知っているそれとは
大きく様相を異にする。

が、これこそが、より実相に近いのだろう。

同じ先住民族同士の諍い。
またその先住民も、開拓団と結び付いたり
フランス軍と結んだりと、一筋縄ではいかない。

誰が敵で誰が味方なのか。

加えて狼や灰色熊などの、人間をも襲う獣の存在。

苛酷な自然の描写も相俟って、
次々と手を変え品を変え降り掛かる試練の数々に
息つくいとまもないほど。

二時間半強の尺を存分に使い、
これでもかと『ディカプリオ』をいたぶりまくる。

それも、その殆どが
実際の出来事の引用や若干の装飾を施しただけらしい
ってんだから凄すぎる。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


ただ一方で、復讐する側の理論と共に
される側の理屈も語られる。

それは、ある意味で筋が通ってしまっており、
その点に疑念を挟ませない為の
序盤での諍いのシーンの付加だったのだろう。