RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

オデッセイ@109シネマズ木場 2016年2月10日(水)

封切り八日目。

席数141の【シアター5】の入りは七割ほど。

幾ら「109シネマズの日」だからって、
平日の、しかも朝イチの回でこの入りは
凄いんじゃないか。


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人跡の無い苛酷な地で生き延びる為に奮闘する。
子供向けであれば〔十五少年漂流記〕、
更に捻って〔蝿の王〕といったところ。

しかし、これは、やはり〔ロビンソン・クルーソー〕だな、と思う
(勿論『フライデー』はいないけど)。


火星に独り残された宇宙飛行士『マーク・ワトニー』を『マット・デイモン』が演じ、
原題の〔The Martian〕は「火星人」の意。

成る程、水や空気を生成し、作物を栽培、
基地の中をバイオスフィアに変えて行く。

ただ居るだけではなく、持続可能な生活を営むことが
其処に住むもの、とのことなのだろう。


それにしても、『リドリー・スコット』得意のSF・宇宙モノにしては珍しく
特異なユーモアに満ちている描写。

特徴的なのは70年代のディスコサウンドへの偏愛。
これでもかと、と言うくらいに画面を彩る。
中でも『ABBA』への傾倒は、正直首を傾げるほど。

エンドタイトルに流れる『Gloria Gaynor』の〔I Will Survive〕には
思わず笑っちまったけど。


それ以外にも、『ワトニー』を救出するため、
NASA」の専門家が知恵を絞る。

科学的な考証もされ、実際に、その通りなんだろうけど
素人目からすれば爆笑の連続。

ゴールデングローブ賞」のノミネートが
「ミュージカル / コメディ部門」なのにも、迷いなく納得できてしまう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


〔グラビティ〕を初めとするする、直近の宇宙モノに共通する
地球から離れた空間が醸す心細い感覚は
本作では少し弱まっている。

異空間ではあるものの、地に足が着いていることが、
そう感じさせるのかもしれない。


でも、起伏のあるストーリーはサスペンスの王道。
好事魔多しを綺麗に実践し、次から次への試練が降り掛かる。

それを持ち前の知恵で乗り切ろうとする主人公と
地球のサポートメンバー、或いは同じ宇宙船のクルー達の友情を描く
最後までハラハラドキドキの140分。
中だるみも無く、たっぷり堪能できる