RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

あやしい彼女@109シネマズ川崎 2016年4月2日(土)

封切り二日目。

席数121の【シアター3】の入りは八割ほど。

子供連れのお母さんが居たり、そして
(自分は)映画館ではあまり見たことのない妊婦さんが居たり。
客層も面白い。


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地元韓国では大ヒットし、
日本でもかなり話題になったと記憶している。

自分は「WOWOW」で観て、かなり楽しませて貰い、
☆五点満点で☆☆☆☆の好評価。

でも、正直、ちょっとの違和感や喰い足りない部分があったのも事実。


中国やベトナムでもリメイクされているようだけど、
何故に日本で?の声は多数。

で、自分だったら、この設定をベースに
もっと面白く造り込める自信があるから、と
答えるだろう。

事実、原本よりも格段に笑わせ、加えて泣かせる作品に仕上がっている。
脚本の『吉澤智子』、素晴らしいと思う。


外見は二十歳なのに、中身は七十半ばのお婆さんと言うギャップが着想の妙。
時代がかった仕草や言葉遣い、考え方の違いが笑いを生む。

その判り易い笑いに加え、原作では中途半端だった
『ヘプバーン』への思い入れや〔ローマの休日〕からの引用を
とことん利用する。

それが、笑いを加味することに成功している。

くじびきのエピソードとか、もう
大笑いしちゃったもん。


次いで、血縁の情を、強く前面に出している。

ドーキンス』が〔The Selfish Gene〕で喝破したように、
自分の遺伝子を残す為にする全ての行動が
美しく描かれ、強烈に涙を誘う。

やや手垢の付いた過去シーンの挿入だけど、
コロッとまいってしまう。

そしてこれが、主人公の歌が、何故
人の心をうつのか、の
説明にもなっている。

勿論、経験があれば全て善しではないけれど、
不思議と納得してしまう説得力がある。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


唄のシーンを主軸とし
多部未華子』が随分と良い。

こんなに巧かったんだと、ちょっと見なおした。