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パリ・リトグラフ工房idemから@東京ステーションギャラリー 2016年1月24日(日)

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一般の入場料は1,000円だが、招待券を頂いた。

「現代アーティスト20人の叫びと囁き」との副題が冠されている。
それとも正式なタイトルは
「君が叫んだその場所こそが
ほんとの世界の真ん中なのだ。」か?

リトグラフ}に特化した展示の故か、
場内はそれほどの混雑にはなっていない。

また、ディスカウンターでの売価も
600円ほどと、さほどの人気物件とは思えない。


入場して、まず違和感を持ったのは
出展者『原田マハ』と書かれ
彼女の新刊〔ロマンシェ〕の表紙に使用されたリトグラフ
冒頭に飾られていること。

おやおや、これはどうしたコトだろう。
帰って調べて見れば、
企画として『原田マハ』の名前がクレジットされている。
そ~言えば、キュレーターとしての顔も持っていたな。
これとリンクした展覧会と言うことか。


出展の二十名の中には『デヴィッド・リンチ』の名前もある。
彼の造り出す映像と同様、ちょっとおどろおどろしいタイトルや描写。

一例を挙げれば〔I Take You to My Home〕だもん。
危ないったらありゃしない。

当該工房での作業をドキュメンタリー風に
彼が撮った八分ほどの映像も流されている。

モノクロのそれは、間違いなくアート作品を生み出す工程のハズなのに、
プレス機の動くさまは、断頭台で上下するギロチンみたいに
ちょっと禍々しいモノに見えてしまう。


日本人では『森山大道』の作品がある。
〔下高井戸のタイツⅠ~Ⅲ〕の三点は
網目の様子がどうにもエロチック。

同様に女性性を強く感じさせるのは
やなぎみわ』の三点も同様。


しかし一番感じ入ったのは
『プリュンヌ・ヌーリー』の〔テラコッタの娘たち〕八点。

始皇帝』の〔兵馬俑〕の兵士の俑に似せた
少女達の肖像。

彼の地の一人っ子政策の結果として
孤児となった少女達の真っ直ぐな眼差しが
どうにもこうにもいたたまれない。


多分、チケットを貰わなければ、
来なかったであろう展覧会。

でも内容的には、十二分に堪能できるものだった。