一般の入場料は1,200円だが
招待券を頂いた。
本年最初の展覧会なので春を寿ぐ意味でだろうか、
「HAPPYな日本美術」との副題も冠されているけど、
実際は、もう片方の
「
伊藤若冲 生誕300年記念」の方が
何かと今年は喧伝されるかもしれない。
『
東京都美術館』でも四月下旬から一ヶ月に渡り
記念展が予定されているからな。
タイトルだけ見れば、『
若冲』と『大観』の作品で
殆どが占められているようにも思えるけど、
当該館に何時ものパターン。
全70点ほどの内、前者は十ちょっと、後者は十にも満たない。
それ以外の大半は明治期以降の画壇の作品で埋められている。
ではあるものの、場内はそこそこの混雑。
会期頭でもあるし、勿論、そのタイトルに依ることは大きいかと。
珍しく、順を追って鑑賞する。
『
河鍋暁斎』の〔浦島太郎に鶴と亀〕三幅。
万年生きる亀が何とも獰猛な面構え。
これなら鮫さえ襲いそう。
鶴と日の出の構図も面白い。
『
横山大観』の〔竹〕。
いつ観ても、その端正な佇まいに惚れ惚れする。
その場面だけ、時間がぴたっと止まったような。
一点の綻びもない。
『
伊藤若冲』の〔群鶏図〕。
京都の商家の旦那が画いたとは思えない、
鯔背な姿の雄鶏達。
彼等には江戸っ子の血がまざってるんじゃないかと
観る度に思ってしまう。
そして〔布袋図〕。
ふくふくとしてユーモラス。
保存状態は、やや良くないけど。
『
伊東深水』の〔富士〕。
碧い碧い富士。作者の名前を体現しているよう。
『柴田是真』の〔子日図〕〔円窓鐘馗〕。
漆絵以外を観たのは初めてかも。
端正な描写力。
『
横山大観』の〔龍〕。
随分と手足の長い龍だことよ。
『
伊藤若冲』の〔大根図〕。
肝心の大根が、頭と尻尾しか見えないよ。
らしい、なぁ。
『川﨑小虎』の〔春の訪れ〕。
描かれている内容とは異なり
西洋っぽいモチーフを感じる。
〔
ヴィーナスの誕生〕とか。
会期は~3月6日(日) まで。