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ゆかいな若冲・めでたい大観@山種美術館 2016年1月16日(土)

一般の入場料は1,200円だが
招待券を頂いた。

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本年最初の展覧会なので春を寿ぐ意味でだろうか、
「HAPPYな日本美術」との副題も冠されているけど、
実際は、もう片方の
伊藤若冲 生誕300年記念」の方が
何かと今年は喧伝されるかもしれない。

東京都美術館』でも四月下旬から一ヶ月に渡り
記念展が予定されているからな。


タイトルだけ見れば、『若冲』と『大観』の作品で
殆どが占められているようにも思えるけど、
当該館に何時ものパターン。
全70点ほどの内、前者は十ちょっと、後者は十にも満たない。

それ以外の大半は明治期以降の画壇の作品で埋められている。


ではあるものの、場内はそこそこの混雑。
会期頭でもあるし、勿論、そのタイトルに依ることは大きいかと。


珍しく、順を追って鑑賞する。

河鍋暁斎』の〔浦島太郎に鶴と亀〕三幅。
万年生きる亀が何とも獰猛な面構え。
これなら鮫さえ襲いそう。
鶴と日の出の構図も面白い。

横山大観』の〔竹〕。
いつ観ても、その端正な佇まいに惚れ惚れする。
その場面だけ、時間がぴたっと止まったような。
一点の綻びもない。

伊藤若冲』の〔群鶏図〕。
京都の商家の旦那が画いたとは思えない、
鯔背な姿の雄鶏達。
彼等には江戸っ子の血がまざってるんじゃないかと
観る度に思ってしまう。

そして〔布袋図〕。
ふくふくとしてユーモラス。
保存状態は、やや良くないけど。

伊東深水』の〔富士〕。
碧い碧い富士。作者の名前を体現しているよう。

『柴田是真』の〔子日図〕〔円窓鐘馗〕。
漆絵以外を観たのは初めてかも。
端正な描写力。

横山大観』の〔龍〕。
随分と手足の長い龍だことよ。

伊藤若冲』の〔大根図〕。
肝心の大根が、頭と尻尾しか見えないよ。
らしい、なぁ。

『川﨑小虎』の〔春の訪れ〕。
描かれている内容とは異なり
西洋っぽいモチーフを感じる。
ヴィーナスの誕生〕とか。


会期は~3月6日(日) まで。