RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

エイプリルフールズ@109シネマズ川崎 2015年4月4日(土)

封切り三日目。
席数175の【シアター4】の入りは
ほぼ満員の盛況。

客層は若い男女のカップルや、
中学生程度の女子の集団が多く、
これってテレビ好きや、お台場周辺に頻繁に出没する層じゃね?

観終わって感じたことだが、この客層が
実はこの映画の根幹を成す キモ なんだな。


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欧米ではクリスマスや新年、
日本ではバレンタインを題にとる場合もある。

ある一日に複数個所で起きることを、
最初は関係なさそうに見せ、最後には全てが
まるっと繋がり、「さすがは」とうなさせる。

本来であれば「場」が、しかしこの場合は特定の日付が
グランドホテルとなっている、ちょっと手垢の付いた方式。


本作に到っては出演陣も豪華。
主要な役柄の人物だけで、三十人弱。

中には『小池栄子』の様に、ほんのちょっとの時間、それも
楽屋落ちに近い役をさせる為だけの出演もある。
かなり勿体無が、このことが象徴的。

そう、本編の実態は、
テレビでドラマを、しかもCXだけでなく多局のドラマも
多く見ていれば見ているほど楽しめる、そこからの引用が多い、
要はテレビ大好き人間への壮大なプレゼント。


それはとっかかりの〔めざましテレビ〕の場面からしてそうで、
多くの観客はここで既にテレビの世界に引き入れられてしまう。

かといって、茶の間で見ているかの如く、
常よりも連れ同士の会話が多くなり、
それは「これってさ、あれだよね」の類いなんだが、
場内がざわついてしまうのは困りもの。
でも、ある意味、作り手の思惑通りなんだろう。


登場人物の多くが嘘をつく。
それが都内の各所での事件に共通の
散発するエピソードの起点。

やがて各々が次第に関連性があることが判って来、
最後は誰もが小さな幸せを手にする大団円となる。

中には、これはちょっとムリでしょ、とか
かなり牽強付会だよね、と感じさせるものもあるが、
強引な力技で纏め上げてしまう。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。


幾つかの泣かせるエピソードがある、が、
一方の笑いの方は微苦笑に止まってしまうのが残念。

ただ、殆どテレビを見ない自分でさえ
かなり楽しめたのだから、平均程度の視聴時間の御仁であれば
(且つ、ドラマを多く見ていれば)相当満足するに違いない。

ストーリーの幹はオリジナルだけど、その周囲を彩るのは
基本、既視感なのだから。

そこいら辺を許容できるかが
この作品の評価の分かれ目になるだろう。