封切り四日目。
席数89の【シアター9】の入りは二割ほど。
父親『修次(いとうせいこう)』のギャンブル癖やら投資の失敗のため
祖父母が残した都内の壮大な屋敷を手放すことになってしまった『笹谷』家。
その家で過ごす最後の日、娘の『あかね(小川未祐)』は半ば自棄になり
「パーティを開きます。誰でも来て下さい」とツイートする。
と、それを真に受けた有象無象の人達が集まり出し、
邸内は人で溢れ返り、カオスな状態に。
そこで起こることは支離滅裂とでも表現すればよいか。
つい最近に起きた事件を取り込んだり、
日本古来の祭りからミュージカルに展開させたり、
或いは『フランク・オズ』監督作品のSFホラー映画をパロったり、と
も~やりたい放題。
大まかな筋立てに沿って伏線をバラ撒き、
それを回収しながら収斂させて行く。
しかし、あまりにも風呂敷が広がり過ぎ、
脈絡の無いエピソードを牽強付会的に繋げて行くので、
付いて行くのにあっぷあっぷ、
鑑賞者の脳内は一過性の酸欠状態に。
頭がふらふらになってしまう。
お馬鹿を演じる有名俳優達に
感心を通り越し半ば呆れながら。
評価は、☆五点満点で☆☆☆★。
スクリーンを注視しながら過去の二つの映画作品が脳裏をよぎる。
何れもテイストは本作に共通、とりわけそのぶっ飛びさ加減に於いて。
一つは『大林宣彦』の〔HOUSE ハウス(1977年)〕。
そのサイケな映像に目がちかちかした。
もう一つは『長嶺高文』の〔ヘリウッド(1982年)〕。
「@シネマ・プラセット」で観た際に
あまりの無内容に頭がくらくらした。
ストーリーはあってないようなもの。
有名人も大挙出演し、ミュージカルやらロックやら
SFやらスカトロやらと脈絡のないエピソードがてんこ盛りに繰り出される。
もっとも四十年近く経った今でも、
ディテールをかなり思い出せ、
ある種トラウマの如く記憶に残る一本。
おそらく今回も、それに近い位置付けになろうかと。
折りにふれ、その馬鹿々々しさが甦って来るだろう。