前二回の選抜の方向性は、比較的自分の嗜好と合致していたが、
さて今回はどうだろう。
グランプリは既に『宮里紘規』@「
多摩美」の〔WALL〕と決まっている。
このヒトの作品は「五大美」でも観ている。
しかもタイトルは同様。でもサイズが1.6×1.3mと
やや小ぶりだった。
本展でもほぼ同内容が展示されているのだが、
この後、この技法で、どんな異なる展開ができるのだろうかと、
ちと疑問に思ってしまった。
受賞作では、『黒木美都子』の〔月読〕のような
観た途端に物語性を感じさせるものの方がスキ。
日本古来の神話性も、当然感じるし。
そしてここでも『奥村彰一』の〔おねえ山水/とらわれの実の
無花果〕。
いやいや、此処まで来ると素晴らしい。
もう、手放しだね。
個人的に更にツボだったのは、『田口由花』の〔
レダと白鳥〕。
ギリシャ神話の世界を、何の衒いも無く
日本画の描写に置き換えている。
ただ、少女の名前がカタカナ表記なのはどうだろう。
『望月宗生』の〔my hero〕も素晴らしい。
シャープペンシルや
パステルだけで、この質感を再現する画力。
しかし、このような細密画を画くヒトって、どうして
男性が多いんだろ。
そしてこれはオマケ的な意味合いだろう、
昨年のグランプリ『川島優』の〔Toxic〕が
掲示されている。
改めて、その素晴らしさに魅入ってしまう。