封切り三週目。
席数107の【CINE 1】の入りは九割で盛況。
ここでは幾つかの相克が描かれる。
一つは〔カインとアベル〕から続く兄弟によるもの。
しかし本作では神から(より)祝福されているのは
兄の方であり、レスリングの金メダリストであると共に
指導者としての手腕も評価され、一方、弟はと言えば
異なる階級の金メダリストであるものの、
兄に比しては日陰モノの扱い。
いつか乗り越えることを心の片隅に置いている。
しかし本作では神から(より)祝福されているのは
兄の方であり、レスリングの金メダリストであると共に
指導者としての手腕も評価され、一方、弟はと言えば
異なる階級の金メダリストであるものの、
兄に比しては日陰モノの扱い。
いつか乗り越えることを心の片隅に置いている。
二つ目は親子によるもの。
親は子に、自分よりも上に行って欲しいと望んではいるが、
一方で子のすることを全て肯定するわけではない。
ましてや、『デュポン』家はアメリカきっての名家・財閥にして古い家系。
その御曹司ともなれば、これ以上の功を得るのはたやすくはなく、
古い仕来たりにも締め付けられ、窮屈な思いをすると共に
年老いた母親に何とか認めてもらいたいとあがいている。
親は子に、自分よりも上に行って欲しいと望んではいるが、
一方で子のすることを全て肯定するわけではない。
ましてや、『デュポン』家はアメリカきっての名家・財閥にして古い家系。
その御曹司ともなれば、これ以上の功を得るのはたやすくはなく、
古い仕来たりにも締め付けられ、窮屈な思いをすると共に
年老いた母親に何とか認めてもらいたいとあがいている。
そして最後は、男同士のチカラ関係によるもの。
早くに両親を亡くし貧しく育ったため、
近くにいるのは兄の『デイヴ』だけだった内向的な弟『マーク』。
『デュポン』家の直系であるばかりに帝王学を叩き込まれるため、
友人達を排除され育った『ジョン』。
二人共に、他人に対してあまりにも不器用な接し方しかできない。
早くに両親を亡くし貧しく育ったため、
近くにいるのは兄の『デイヴ』だけだった内向的な弟『マーク』。
『デュポン』家の直系であるばかりに帝王学を叩き込まれるため、
友人達を排除され育った『ジョン』。
二人共に、他人に対してあまりにも不器用な接し方しかできない。
この三つが交差した時に悲劇が起きる。
実際の出来事であるにもかかわらず、
あまりにも道具立てが揃い過ぎているために
そのような印象を持ってしまうのだろう。
あまりにも道具立てが揃い過ぎているために
そのような印象を持ってしまうのだろう。
実態は、真っ当な人格者が、
あまりにも不器用にしか生きられない二人の
軋轢の被害者になった体であり、どの時代や場所でも
普遍的に起きる可能性がある。
あまりにも不器用にしか生きられない二人の
軋轢の被害者になった体であり、どの時代や場所でも
普遍的に起きる可能性がある。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。
何れもが素晴らしい出来で、
不穏な雰囲気を漂わせて耳に響くBGMと共に、
薄気味の悪い印象を最後まで描き通す、
重要なファクターとなっている。
不穏な雰囲気を漂わせて耳に響くBGMと共に、
薄気味の悪い印象を最後まで描き通す、
重要なファクターとなっている。