RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

きっと、星のせいじゃない。@109シネマズ川崎 2015年3月1日(日)

封切り二週目。

席数175の【シアター4】の入りは八割ほど。


イメージ 1



こういった「泣かせる」お話は
本邦だけでなく、彼の地でも受け入れられるのかと、
ややの違和感を持ち、鑑賞。

日本では、
不治の病に侵された主人公が亡くなる、または
その後で慟哭する周囲につられて
つい涙してしまう「実際にあった」モノガタリの大盤振る舞いだが、
そのあたりと本作は、ちと事情を異にしている。

兎に角、病に侵されている主人公の二人が、
忍び寄る死の影を常に感じながらも、
ポジティブで朗らか。

本編の成功は、その二人を演じた
『シャイリーン・ウッドリー』と『アンセル・エルゴート』のチカラによるものが大きい。


甲状腺癌が肺に転移したことで、
本人曰く「いつ爆発してもおかしくはない」状態の『ヘイゼル』は、
母親に勧められるままいやいや出席したコミュニティで、
骨肉腫で右足を失った『オーガスタス』に出会う。

その時から、発症以降、鬱々としていた彼女の毎日が、
突然キラキラとした日々に変貌する。

どちらかと言えば引き篭もりがちであったのが
ファンである本の作者に逢うために、
アムステルダムへの旅行をするまでになる。
が、しかし・・・・。


周囲の人々を巻き込んで行く二人のパワーが圧倒的。
しかし、その裏には何時も死の恐怖が付きまとっているため
見る側は、笑いながらも泣けてしまう。

これ見よがしに、さあ泣け泣け、と悲しげなシーンを
これでもかと積み重ねるでなく、あくまでも
美しい日常の中で描いてみせる。

フィクションと判っていても、つい
ほろりとしてしまう煌いた瞬間だ。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。


ただ中途出てくる「ゼノンのパラドックス」は
限られた時間は実は永遠であることの比喩にも聞こえるのだが、
だからと言って
遠からず死に行く運命のモノには
あまり救済になっていない気もしたのは事実。