RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

味園ユニバース@TOHOシネマズ錦糸町 2015年2月14日(土)

本日が封切り初日。

席数223の【SCREEN4】入りは、ほぼ満員の盛況。

客層は当初の予想通り
関ジャニ∞』のメンバーである主演男優目当ての女子が
九分九厘。

時として男性客も見かけるが、多くは女子に引っ張られて来ており、
自分みたいなおぢさんが独りで来ているのは、ほぼ皆無。

その女子も、中高生から中高年まで幅広く、
また彼女等の鑑賞態度が頗る特徴的。

ここは笑い処だろうというシーンでもくすりともせず、
じ~っとスクリーンに魅入っている。

都度笑い声をあげる自分が、闇の中とはいえ
気恥ずかしくなってしまう。

しかし、これだけ真剣に向き合われれば、
演じている側としては本望かもしれない。


イメージ 1



地域の交流イベントの会場に突然
若い男が乱入し、『和田アキ子』の〔古い日記〕のワンフレーズを唄ったのちに
気を失い倒れてしまう。

現場を仕切っていた『カスミ(二階堂ふみ)』は
その歌唱力に興味を持ち、
自分が経営するスタジオ(且つ、カラオケ店)に連れ帰り、
男を『ポチ男(渋谷すばる)』と名付け働かさせる。

しかし、男には酷い暴行の痕跡があり、
それが原因と思われる記憶喪失になっていた。

一方、地元の素人バンド『赤犬』の
年に一度のライブイベントの日程が迫っており、
『カスミ』はそこで『ポチ男』をデビューさせようとする。

しかし、次第に彼の記憶が戻って来て・・・・。


男の過去を探るミステリーの部分は、当初観客の側にも
必要最低限の情報しか与えられておらず、
『カスミ』が事情を知るのとリアルタイムで
我々も一歩づつ彼の素性に近付いていく。

その内容は驚愕するほどではないけれど、
ある意味『ポチ男』の心根の良さを感じさせるエピソードも
きちっと盛り込まれており、持って回った表現ながら
制作サイドの巧さを感じる。

同時に、記憶を再現させる一助として
彼女がつけ始める「日記」だが、当然、歌のタイトルともリンクし、
後々大きなカギになることは容易に想定できる。

『ポチ男』の過去が明らかになる過程で、
なぜ『カスミ』が、ぼけの始まった祖父の面倒を見ながら
店を切り盛りしつつ、素人バンドの活動にも執心しているかも明らかになる。

そこに二人の思いが重なるのだが、それはほんの些細な言い回しで、
観客の側には強いインパクトを残さない。

しかし逆に、その塩梅こそが、本作のティストからすれば心地好い。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。


主人公は「歌」の技量が圧倒的との設定だが
主演男優は演技の出来も含め「すげ~」と唸るほどでもない。

しかし、記憶を失っている間の
ややぼ~っとした動きと、素の自分でいる間の粗暴さとの
落差の芝居はなかなかのもので、
相当の存在感がある。

自分としては、かなり引き込まれて見たが、
多くのファンの女性達の目には、どのように映っただろうか。