RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

アトミック・ブロンド@109シネマズ川崎 2017年10月22日(日)

封切り三日目。

席数130の【シアター2】の入りは七割ほど。


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主演の『シャーリーズ・セロン』、御年42歳。
のっけからその鍛え上げたカラダを晒し
観客を驚かせる。
身長も177㎝と言えば、並の男優に引けを取らない。


しかし、格闘の世界では、技量が同じであればより体重の有る方が、
同じ程度の外見であれば男性の方がより優勢なのは自明。

過去の作品にありがちだった、華奢な女子が大男を薙ぎ倒す、との
あまりにもオハナシ的な約束を踏襲せず、主人公の『ロレーン・ブロートン』は
一戦が終われば息も絶え絶え、おまけに身体や顔に刻まれる無数の傷。

あくまでもリアルさを前面に押し出したシーンの数々。


なので彼女は、闘いの際にはほぼほぼ素手ではなく
身近に在る物は須らく武器として使用する。

徒手の場合でも、ひたすら相手の急所だけを取りに行く。

えげつない殺陣の連続。
なまじ普段をスタイリッシュに決めているだけに、その落差も大きい。


しかもその殆どが近接戦であり、
カメラは吸い付くように離れず一部始終を捉える。

殴り合いから投げ出され、階段を転げ落ちるまでを
ワンカットで撮り切るシーンの迫力たるや。

スタントマンの受けの凄さを思い知らされる。


それはチェイスの場面でも同様で、
カットを割ることなく、逃走の中に突然
追跡車が割り込む。

唐突さと共に、スタントの凄まじさにも慄く。


ストーリー自体は有りがちな「エスピオナージ」もの。

登場するエージェント達は皆が皆、自分の生き残りの為に
仲間なぞ平気で犠牲に。

組し反し、裏切り裏切られの連鎖が際限ない。


が、二転三転して行くようにも見えるけど、
実際は一本道。

国家を跨いだ離反の組織の粛清にこそ
一連のテーマはある訳だが。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆★。


顔を覚えにくい外国人と
その名前、或いは時制の統一に少々難渋するけれど、
観終われば手の上で転がされていたのは
東側・西側のスパイだけでなく、観客の側も
だったことが良く判る。

しかし、観ている最中では、ハラハラドキドキが止まらないんだ。