RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

泣き虫しょったんの奇跡@109シネマズ川崎 2018年9月10日(月)

封切り四日目。

席数127の【シアター2】の入りは五割ほど。


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タイトルがあんまりなことはさておき、
一種、実録モノにカテゴライズされるだろう。

もう十年以上も前になる
奨励会」を経由せずにプロ棋士が誕生したコトの次第。

直近では『藤井聡太』七段(現時点で)の活躍で
なにかとかまびすしいけれど
往時もマスコミはそこそこ取り上げ耳目を集めた記憶。

もっともその時も今も、騒いでいる人の何割が
将棋のルールや「新進棋士奨励会」の仕組みを知っているかは甚だ疑問だけど。


登場人物は仮名も、判る人にはピンとくる仕掛けになっている。

例えばプロ入り試験の第一局の対戦相手『佐山』三段は
現名人の『佐藤天彦』だね、という具合。

なので結果を含めて認識している観客には
寧ろ奨励会入りする迄と、退会に到る経緯が興味深い。

集まって来るのは当然、地域の天才ばかり。
その中から頭角を現し棋士になれるのは、
不断の努力は当然として克己心と
時には狡さも兼ね備えることが必要なのは
へぇ~と蒙昧を開かれた思い。


そして劇中の(棋界を知らない)女子の
「本当のプロ世界なら、強い人間には頭を下げて勧誘に来るはず」
との一言には唸ってしまった。

ホントだよねぇ。
もしそうじゃなかったら、その領域は
至高じゃないってことだもの。


現役の棋士がこぞって出演していることに加え、
ほんの端役に到るまで、芸達者を揃えているのには
驚かされる。

監督の人望か、それとも主演俳優へのリスペクトだろうか。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


出番は少ないものの主人公の小学五年時の担任を演じた
松たか子』が印象に残る。

監督のインタビューを読むと、
ある種の理想をカタチにした結果のようだが、
自分もこんな先生に担任してもらいたかったと切に思った。

それほど教師に対しては、ほぼほぼ良い思い出や感情を持っていないのでね。