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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

MOMAT コレクション/奈良原一高 王国@東京国立近代美術館 2015年1月2日(金)

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何れも入場料は430円で会期は~3月1日(日)まで。

でも、本日は「無料観覧日」。

唯一の心配は「一般参賀」からの流入客で、
場内は危惧した通り、そこそこの混雑。

で、問題はそこではなく、
入場したから、ただ歩いて回ってます、とか
携帯電話で会話してます、みたいな人が多く、
勿論、後者については係員さんが都度注意をするんだけど、
数に追いつかないのね。


ま、できるだけ集中して、気を逸らさない様に、
過去観たことのある作品は軽く流し、初見とか、
思い入れのあるモノについてはじっくりと拝見する基本スタンスで。


伊東深水』の〔雪の宵〕が良いなぁ。

面立ちや着物の美しさは何時も通りだけど、
降り積もった雪の描き方が素晴しい。
綿雪の質感がふわっと再現されている。


特別展にもある『奈良原一高』の作品も別途コーナーが設えられ、
〔「人間の土地」より 緑なき島/軍艦島〕のシリーズにじんと来た。

今は住む人とていないわけだけど、
活気が有った往時の人工島の日々の暮らしが活写され、
しかし、どことはない違和感さえ、ちゃんと画面から漂って来る。


追悼関連というわけでもないだろうけど
ハイレッド・センター』の一人『中西夏之』の展示もある。
作品は〔コンパクト・オブジェ〕と〔韻〕。

特に前者が多くの人が歩を停めて魅入っている。
五十年経っても、未だに強烈な磁場を放っているようだ。


そして、『フジタ』作品が極めて多いのも特色。
戦前と戦中の作品を対比させる試み。

戦中のものだけでも
〔哈爾哈河畔之戦闘〕
アッツ島玉砕〕
サイパン島同胞臣節を全うす〕
の大作三枚が並べられ、それらを前にすれば、
翼賛だとか讃美と言った表現は、必ずしも当たってないんじゃない?
と、改めて思わされる。
要はどんな表現であっても、利用するヒトはする
ってことなんじゃ。