”ガラス造形20年の軌跡”との副題が付いている。
常の如く、退任教員の個展なのかと思ったら然に非ず、
並んでいる作品はご当人のものよりも
「ガラス造形研究室」の卒業生、教員経験者、現在の在籍学生、
現教員の方が多く、その数50名強。
グループ展の趣きで、
表現の多様性が目を楽しませてくれる。
【一階】はご当人と現在籍者・教員、
【二階】は教員経験者・卒業生と、振り分けられている。
とは言え、『藤原信幸』には目を見張る。
中でも〔墨流し紋「器」〕は初めて見る技法、且つ
どうやってものしたの、と
頭の中が????だらけに。
勿論、その流麗な美しさにも見惚れてしまう。
『高橋涼香』の
〔むにむにくんシリーズ「うんどう」「おやすみ」〕はなんともユーモラス。
『石田菜々子』の〔hear me〕は古色を感じさせる端正な美しさ。
『高瀬亜美香』の〔women〕は、その複数の造形ゆえだろう、
性差から来る声なき声を感じさせる。
なにしろ展示数が多いので、
丁寧に観ていけば時の経つのも忘れてしまう。
これだけ密度の濃い展覧会を
無料で堪能できることの幸せ。
会期は~10月20日(日)まで。