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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展@東京都現代美術館 2024年4月27日(土)

ここ数年来 当たり! が続いている標題展。
で、今年もやはり 当たり! で、
随分と楽しませてもらう。

 

展示は
『サエボーグ』の〔I WAS MADE FOR LOVING YOU〕
『津田道子』の〔Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる〕


前者の展示は「うんこ」で、まぁ当然ホンモノではなく、
おそらくビニールで作られた造形を空気で膨らませている。

デフォルメが激しく、100倍以上の大きさで表現され、
たかる蠅も同じ素材・技法でかなりリアルに。

それが会場内に散在。
不思議と不潔さは感じぬ、
どちらかと言えばキッチュで笑いがこみ上げる。

空には、こちらはほぼ実物大のカラスが複数羽。

蠅や「うんこ」を狙っているわけではなかろうが、
嫌われ者なのはいっしょ。

田舎風の家や木は実物大で設えられ、
ややファンタジックも
屋根や壁にはリアルな表現の鳥の糞。

総体で観れば、童話の世界でもあるのだが・・・・。


後者は画像を使ったギミックに近い印象を受けるもの。

長い通路の奥にカメラが据え付けられ、
撮られた画像は時間遅れで手前に置かれたモニターに映される。
二つの間にはモニターと同じ大きさの鏡や素通しの枠だけが挟まり、
結ばれる複数の像に
次第に感覚はバグって来る。

同様の混乱は他の展示でも。
三人の人物が映る十一台のモニター。
が、その三人は父・母・子の役を変えながら
同じシチュエーションが繰り返される。
自と他の境界が曖昧になり、見るほどに混迷は深まる。

他の展示も近似の印象を受けて止まぬ。

面白い。


会期は~7月7日 (日)まで。