RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ワールド・クラスルーム@森美術館 2023年8月14日(月)

久し振りに招待券を頂いた。
一般の入場料は
平日・窓口だと二千円もすることに驚き、
また、入場には予約も必要との注意書があることにも気付く。

改めて券面を見れば、
リーダーを通してそのまま入場可とも書かれてはいるが、
念のため当日の予約状況は確認、
どの時間も余裕があることに胸を撫で下ろす。

実際に入場すれば、
混雑とは言えないほどの来場者。
とは言え、七~八割ほどが外国人のようで、
観光コースに含まれているのかしら、とも思ったり。

 

「開館20周年記念展」と共に
現代アートの国語・算数・理科・社会”とも
「みんなで学ぼう、アートと世界」とも示されており、
学生や初心者に向けてのメッセージなのかしら。

会場内は、教室宜しく
専科のスペースに区切られ、
カテゴライズされた作品が丁寧なキャプションと共に並ぶ。

ただその分類は、かなりキュレーターの恣意的に感じるが。


入り口直ぐのスペースは「国語」。

『ジョセフ・コスース』の〔1つと3つのシャベル〕は、
実物・写真・テキストでの説明、が並ぶ。

『米田知子』の〔見えるものと見えないもののあいだ〕は
故人が使用した眼鏡を通して、特定のテキストを見る試みで
それを写真におさめている。
フロイトの眼鏡―ユングのテキストを見るⅡ〕では、
当初と最後の二人の関係性に想いをはせる。
谷崎潤一郎の眼鏡─松子夫人への手紙を見る〕も
複雑な思いにとらわれる。


「社会」のパートでは、
『ヴァンディー・ラッタナ』の〔コンポントム(爆弾の池)〕は
形として残る戦禍に呆然とし、
『ハラーイル・サルキシアン』の〔処刑広場〕を観、
何かしらの名目で過去にその場で行われた行為に慄然とする。
写真且つ、タイトルを見るだけで
何について語っているかが判る共通項はあり。


「哲学」では
『ツァイ・チャウエイ』の〔豆腐にお経〕に笑ってしまう。
そのものずばりの内容で、どれだけ書き辛かったろうと微苦笑。

一方、『アラヤー・ラートチャムルンスック』の〔授業〕は
引き取り手の無い(実際の)遺体を前に
「死」についての講義をする女性のVTR。
シュールな情景に、鳥肌が立つ。


「理科」には『宮永愛子』の作品が。
おそらく本展の為に制作されたと思われる
「靴」×「ナフタリン」のタイトルは〔Root of Steps〕。
既にして四ヶ月は経過しているだろうに、
多くがまだまだ原型を保っているのには驚かされる。


それ以外にも
「算数」「音楽」「体育」「総合」があり。


会期は~9月24日(日)まで。