RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

アド・アストラ@チネチッタ川崎 2019年9月23日(月)

封切り四日目。

席数488の【CINE12】の入りは八割ほど。

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物語の舞台は極近しい未来。

地球外の生命体存在の可能性を探るため
海王星に向かう任務中に行方不明になった父親『クリフォード(トミー・リー・ジョーンズ)』。

死んだとばかり思っていた父が生きている可能性を示唆され
真相を探る決心をした息子の『ロイ(ブラッド・ピット)』。

その旅の途上で起きるのは、人ならざる者の啓示やAIの反乱ではなく、
資源をめぐる争いや西部開拓時代を思わせる諍い、或いは
宇宙旅行の過程で実際に起きるかもしれないハプニングの数々。

正直、地味で華が無い。


宇宙空間での移動もコールドスリープではなく、
数十日間を通常の状態で過ごすことを余儀なくされる。

結果、精神に変調をきたす乗組員が現れる可能性も排除できず、
なまじそれらを含め考証がきっちりとなされているため、
スペクタクルとしてはかなり盛り上がりに欠ける。

が、全てはおそらく確信犯。
実際の宇宙での行程は、そんな華々しさなど無縁とのテーゼの提示なのだろう。

なので先行する幾つかの作品、
例えば〔2001年宇宙の旅〕や〔インターステラー〕に対しての
監督の『ジェームズ・グレイ』が自身の回答を示した一本として観た。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


それにしても人類は、なぜこうも宇宙を目指すのだろう。

NASA」の声明には確かに
「宇宙を探査し、生命の起源を探ること。」とは書かれてはいるものの。

ライトスタッフ〕から連綿と続く地球外に飛び出す物語に加え、
(超駄作ではあるものの)〔メッセンジャー(2017)〕でも描かれるように
それ以外の全てを捨て去ってでも、宇宙の更に奥に進もうとするモチベーションは
いったい何処から来るのか。