RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

ライフ@チネチッタ川崎 2017年7月8日(土)

本日初日。

席数191の【CINE10】の入りは八割ほど。


イメージ 1



Alien〕を嚆矢とする、この手の
宇宙と言う閉鎖空間で異星人に襲われるプロットは
かなり手垢が付いてしまっているけれど、
敢えて作品化するからには
それなりの新機軸の打ち出しがあるのだろう。


先の作品は、随分と未来の設定であったのに対し
本作の舞台は、現時点でも運用されている「ISS」。
しかも劇中で「(運用開始から)三十年」との会話があることを勘案すれば、
もうほんのちょっと先の未来であることが
自ずと知れよう。

なので「コールドスリープ」も現実とはなっていないし、
ましてや重力発生装置も無く、
乗組員は無重量の世界で右往左往するわけだけど
それら一連の描写が頗る秀逸。

(おそらく)ワイヤーアクションを使って
これだけ多重的に撮影したのは
初めてのケースではないか。


そして、
「ISS」が地球のほんの直ぐ外側を回遊しているしていることも
もう一つのキモで、勿論、自爆装置などは付いておらず、
そのまま大気圏内に突入してしまえば、
頑健な生物であれば生きながらえてしまう可能性が高く、
自分達だけが脱出できれば良いとの安直な結末にさせない為の
かなり厳しいシバリも設定している。


火星から採集したサンプル中に発見された生物は
次第に大きくなり知性の片鱗さえ見せ始める。

それにある刺激を加えたことで
人類に対し牙を剥き出す訳だが、
そこまでの過程は、最初のうちはほのぼのとした雰囲気さえ漂わせていたものの、
突如として剣呑な気配が支配する。

一気に物語の渦中に巻き込む一連の流れは、
ややの強引さはあるものの、瞬く間もないほどのスピード感。

一人、また一人と乗組員が襲われるシーンも
それなりにバリエーションがあり
単調さを感じさせないのも良い。


評価は、☆五点満点で☆☆☆☆。


幾つかのエピソードで、
乗組員各人が地球に残して来た家族に言及する箇所があり、
それが火星生物が攻撃してくる本能的な理由との
対比軸になってはいるのだが、
やや取って付けた様な印象は免れず、
ストーリーの流れにしっくりと馴染んでない気がするのは残念。