RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

散歩する侵略者@109シネマズ川崎 2017年9月10日(日)

封切り二日目。

席数246の【シアター1】の入りは七割ほど。


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これもまた、宇宙人が地球侵略をする時の一つの形態。
〔ボディ・スナッチャー〕モノとでも言えば良いか。


今回の宇宙人は実体を持たず(ここが大事)、
先兵としての人数も過少。

適当に憑依し、潜伏先の人間の身体と意識をコントロールしながら
他の人間と接触することで新たな知識を得る。

それらを統合した後に侵略を開始するのだが、
物語りの最初から設定の整合性が取れておらず
エピソード間の繋がりもめためたで、
お話としての体を成していない。

要するに脚本が徹底的になっていない。


実体を持たない宇宙人が地球を侵略する、
或いはその為に人類(はおろか、あの攻撃では
他の動植物をも)を滅ぼす理由。

宇宙人を掃討しようとする謎の組織の存在、そして
彼等が侵略者の存在を把握した経緯。

そういった事が一切説明されることはなく、
自明であるかの様にぽ~んと投げ出される。

宇宙人対地球人の有りようはこういったモノだ、との
ステレオタイプを逆手に取って嗤おうとしているのか、
それとも何も考えていないだけか。理解に苦しむ。


が一番の問題は、物語の主動線となる部分、
人間を知る為と称して多くの人から言葉の定義を吸い取るのだが
あんな暴力的な侵略方法を執るのであれば
なんでそんな作業が必要なのかがさっぱり判らないこと。

そしてそれが、乗っ取った人間の知識では
なぜいけないのかと言うこと。

それ以外にも町内の主に病院を舞台とした出来事、
侵略後の出来事、等々、
矛盾だらけで、ただ行き当たりばったりのエピソードを繋げただけの
納得感の欠片も無いダメダメな造り。

映像世界に全然入り込めない。


いや判りますよ言いたかったことやりたかったことは。

傍に居ても自分にしか興味が無く、他人同然の人々と、
それを寛解させる愛情の大切さ。

でもね、
折角面白いモチーフを捻り出したのだから
他にやり様が有っただろうにと制作者サイドの見識を疑ってしまう。


評価は、☆五点満点で☆☆☆。


本作は舞台の映画化らしいが、
どの程度忠実に映像化したのかは判らない。

しかし〔情婦〕〔探偵<スルース>〕他幾つかを除いては
特に直近の日本での成功例に思い当たらない。

コミックのそれと比べて成功確率が著しく低いんじゃないか。