RollingStoneGathersNoMoss文化部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、文化部の活動報告。飲食活動履歴の「健啖部」にも是非お立ち寄り下さい

荒木悠展@資生堂ギャラリー 2019年4月6日(土)

タイトルとして”LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ”の一文が付されている。

メインとなるのは四つの映像作品。

それらを見る中で直近に読んだ一冊、
『早川タダノリ』の〔「日本スゴイ」のディストピア〕を想起する。

勿論、本展での作品はそれとは異なり
意図せず曲解・誤訳の末の産物を映像化したものとは思えるが。


イメージ 1



特に中央のスペースで流されている〔The Last Ball〕はおそらく
明治時代の「鹿鳴館」での舞踏会をパロディにしているものと思われ。

洋装の男女の踊り手たちは各々がスマホが装着された自撮り棒を持ち
相手の踊る姿をライブ中継しながらワルツに合わせてくるくると回る。

それをステディカムで追うカメラマンからの映像と
定点カメラからのものも重なり
えも言われぬお馬鹿な世界観が出現する。

もっとも今の時代だからそう見えるのであって、
往時としては当然の出来事だったかもしれないが。


他の三作品も同様で、映像は現代のもの、
字幕として出されるのは、往時の異邦人の眼に映ったそのままを文書にしたもの。

が、その内容にはやはり、現代の我々からすると
ズレを感じずにはいられない。


会期は~6月23日(日)まで。